米国・IMSAシリーズ第10戦がバージニアで行われ、シリーズに参戦しているLEXUS RC F GT3は14号車が7位フィニッシュ。スタートで順位を落としながらも、一時は表彰台目前まで追い上げた15号車は、惜しくもクラッシュでリタイアに終わった。8月6日(日)、バージニア州オールトンのバージニア・インターナショナル・レースウェイで米国IMSA WeatherTech SportsCar Championshipシリーズ第10戦が2時間40分のセミ耐久レースとして行われた。
このIMSAシリーズのGTDクラスには、今季より新型の「LEXUS RC F GT3」が3GT Racingからフル参戦している。今大会は、先回同様LEXUS RC F GT3 14号車を22歳のセージ・カラムと28歳のロバート・アロン、15号車は26歳のジャック・ホークスワースと57歳の大ベテラン、スコット・プルエットという、これまでのレギュラーメンバーを1人ずつ入れ替えた布陣で参戦した。 午後1時35分、1周3.27マイル(5.26km)のアップダウンの激しいコースで2時間40分にわたって争われる決勝レースがスタート。クラス5番手からスタートを切ったホークスワースの15号車は、スタート直後の1コーナー進入で後方から接触されスピン。ほぼ最後尾となる15位へと大きくポジションダウン。一方、6番手スタートのカラムの14号車は4位へとポジションを上げた。序盤、14号車が4,5,6位前後の集団でバトルを繰り広げていた一方で、ホークスワースの15号車は周回毎に前車をパスしポジションアップ。15周目には8位まで浮上した。 14号車は接触しながらの激しいバトルを展開していたが、この時の走行でペナルティを科されることとなり、ピットイン。周回遅れの12位へと順位を落としてしまった。 その後も15号車のホークスワースは好走を続け、LEXUS RC F GT3の燃費の良さも活かしてライバルよりもピットインを遅らせ、59周目、3位に上がったところでピットインし、プルエットへとドライバーチェンジを行った。4位でコースに復帰したプルエットは、ランボルギーニ、フェラーリといったライバルとのバトルを展開したが、71周目のターン11で僅かにバランスを崩し、コースオフ。タイヤバリアへとクラッシュしてしまった。15号車は何とかピットへと戻ったが、ダメージは大きく、この時点でリタイアを余儀なくされた。14号車は後半アロンに交代し、着実に周回を重ね、7位でチェッカー。トップ10フィニッシュを果たした。 次戦第11戦は9月21日(木)から24日(日)にかけて、カリフォルニア州モントレーに位置するマツダ・レースウェイ・ラグナ・セカで2時間40分のセミ耐久レースとして行われる。 セージ・カラム (LEXUS RC F GT3 14号車) あの不運なペナルティが全てでした。とはいえ、我々は良いレースを戦えたと思います。第1スティントは好調だった訳ではないのですが、5位か6位というポジションは望んでいたものではありませんでした。リアのダウンフォースが十分ではなく、レース序盤のうちにコースの状況が改善されていくと予想していましたが、残念ながらそうはなりませんでした。2回目、3回目のスティントに向けてセッティングを変更した結果、レースの終盤はとても好調になりましたが、不運なことに、序盤のペナルティで周回遅れになっており、順位を取り戻すことは出来ませんでした。最後まで着実に走り切って7位でフィニッシュ出来たのは良かったです。最後は燃料をセーブする必要があったのですが、そのために多くのことを学びました。我々のLEXUS RC F GT3の燃費は素晴らしく、加えてラップタイムも良かったのは喜ぶべき点です。私自身、最後に燃料をセーブして走ったのはいつだったのか思い出せませんが、それだけに今回上手く走れたことを喜んでいます。今日のレースで我々は幾つか良い兆候を見出すことが出来ましたが、残念ながらペナルティを受けることになってしまいました。今後も努力を続けて行けば、必ず結果はついてくるはずです。 ロバート・アロン(LEXUS RC F GT3 14号車) 我々はレースを通して速かったと思います。全体的にややオーバーステア気味でしたが、ペナルティを受けながらも7位でフィニッシュ出来たことには満足しています。我々のLEXUS RC F GT3のペースは良かったと思いますし、燃費も良かったので、もしペナルティがなければ、トップ5フィニッシュ、もしくは表彰台にも上れていたでしょう。 ジャック・ホークスワース(LEXUS RC F GT3 15号車) レースを楽しむことが出来ました。1周目の第1コーナーで接触され、コースオフを喫して若干車体にダメージを負いましたが、大きな影響はありませんでした。我々のLEXUS RC F GT3はとても運転しやすいというわけではありませんでしたが、速かったです。リズムに乗って、何台もパス出来ました。燃費戦となったので、燃料をセーブする必要がありましたが、それでも充分な速さがありました。前を走っていた車両のバトルに乗じてポジションを上げるという幸運もありました。ピットストップも上手く行き、スコット(プルエット)も良い走りで後続のフェラーリを抑えていたのですが、私が見る限りクルマが僅かにオーバーステアになったか何かで、フィニッシュは果たせませんでした。しかし彼はそれまで素晴らしい走りを見せてくれました。我々はこの週末、そしてレースも後方からの追い上げを強いられましたが、LEXUS RC F GT3には速さがあり、我々も、チームもベストを尽くしました。この努力はいつか結果に繋がるはずです。 スコット・プルエット(LEXUS RC F GT3 15号車) ただひたすらフェラーリからの激しい追走を凌ぐべく努力を続けていました。オークツリーコーナー(ターン11)で僅かに突っ込みすぎてしまい、オーバーステア症状に見舞われコースオフし、またしても残念なレースとなってしまいました。クリーンで着実なレースをしていかなくてはなりません。我々のLEXUS RC F GT3は間違いなくトップ5の速さを持っていたのですが、残念ながらフィニッシュ出来ませんでした。