ニコ・ヒュルケンベルグは、現在のサウバーが来季ついにアウディのワークスチームへと生まれ変わることで、チームに対する世間の見方が大きく変わるだろうと語った。しかし同時に、「いきなり勝てる」といった過剰な期待は抱くべきではないと強調している。サウバーは長い歴史の大半で中団に属してきたチームであり、コンストラクターズランキングでトップ6に入ったのは2022年の6位が近年の最高成績。
2026年からの完全なアウディ体制に向けて歩みを進めているものの、ヒュルケンベルグは“変わるのは perception(認識)であって、すぐに順位表の最上位に躍り出るわけではない”と冷静だ。「認識は確実に変わる。アウディという大きな自動車メーカーになるわけだから、もっと多くの視線が注がれるし、もっと大きな期待をされる。でも、我々は現実的であるべきだ」とヒュルケンベルグはコメント。「最初からレースに勝てるとは思っていない。これは長い旅の始まりで、インフラ面でもファクトリー面でもトップチームにはまだ大きなアドバンテージがある。でも僕らは前に進んでいるし、追いつこうとしている。メーカーとして見られる来年は、チームへの期待値もこれまでとは少し変わるはずだ」豊富な経験をアウディの成長加速に生かす──「学習スピードを上げる手助けがしたい」今年38歳のヒュルケンベルグは、ウィリアムズ、フォースインディア、ルノー、アストンマーティン、ハース、そしてサウバーと多くのチームを経験してきた。この“引き出しの多さ”をアウディの土台づくりに役立てたいと考えている。「ドライバーとして速く走り、結果を出すのはもちろんだけど、それ以外の面でも貢献できる。とくにレギュレーションが変わる時は新しく学ぶことが多い。来年のチームの学習を少しでも早められたらと思っている」「経験は助けになる。違う時代、違う規則、違うクルマを知っていれば、それだけ知識の幅が広がる。そこに自分のフィーリング、データ、エンジニアリングの視点が加わる。常にテストして、答えを得て、また積み重ねていく──その繰り返しで全体像を構築していくんだ」“15年目でアウディのワークスドライバー”という誇りどれだけ結果が出るかは未知数だが、ヒュルケンベルグには特別な感情がある。ドイツの名門アウディのF1ワークスドライバーに就任するという事実は、キャリア終盤の彼にとって大きな意味を持つ。「すごくクールだし、そう何度も巡ってくる機会じゃない。2023年にハースへ戻ってから、そこから物事がどう動いていったかを考えると、本当にクレイジーだと思うよ。15年間この業界でやってきて、そこからアウディというメーカーのファクトリードライブにたどり着いた。とても誇りに思っているし、幸せだ」
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