ハースF1チームのドライバーであるニコ・ヒュルケンベルグは、ポイントを獲得するにはグリッドの半分が「常識」から離れ、「型破り」な戦略に舵を切る必要があると考えている。ヒュルケンベルグは2023年の好調な予選フォームをバーレーンでの開幕戦に持ち込み、10番グリッドにつけたものの、レースではスタートが悪く、ターン1でアストンマーティンのランス・ストロールと接触してフロントウイングを破損して16位に後退した。
さらにサウジアラビアGPでは、ストロールのクラッシュによるセーフティカーピリオド中にピットに入らず、チームメイトのケビン・マグヌッセンが後続マシンを引き止めるという作戦を味方につけて、15番手から10位まで順位を上げてポイントを獲得した。ヒュルケンベルグは、トップ5チームのパフォーマンスを考えると、ある意味でこのような多様な戦略が下位チームがF1でポイントを獲得するためにはますます必要になってきていると語る。「(サウジアラビアGP)今回のようなレースでは、トップ5チームがレースに残れば、トップ10を占めることになると思う」とヒュルケンベルグは語る。「だから、いつも何か型破りなことや、あまり論理的でないことは、あるいは常識的でないと思われることをしなければならないと感じている」「運を少し押し上げ、何か違うことをし、自分自身をオフセットさせなければならない。過去と同じように、それはしばしば報われてきた」2022年のグランドエフェクトカーへの移行とコストキャップの導入はフィールドを縮めるために考案されたものだが(サウジアラビアのQ1では上位19台が1.355秒差)、レッドブル、フェラーリ、メルセデス、マクラーレン、アストンマーティンはコンストラクターズチャンピオンシップの上位半分に地位を確立した。ジェッダでのマグヌッセンは、2度の10秒ペナルティ(アレックス・アルボンとの接触と、RBドライバーの角田裕毅をパスしようとした際にトラックを離れてアドバンテージを得たこと)ですでに大きなダメージを負っていた。その後、ハース勢が11番手と12番手を走行していたときに、マグヌッセンは、エステバン・オコン、アルボン、角田裕毅、ローガン・サージェント、ダニエル・リカルドといったマシンの列を遅らせた。ハースF1のチーム代表である小松礼雄は「素晴らしいチームワークの賜物だと思う」と説明した。「我々は10位、つまり1ポイントを目指して戦っていたが、相手は他の8人のドライバーだったので、チャンスをつかむにはすべてが完璧でなければならなかった」「(マグヌッセンが)ポイント争いから外れたことが分かったとき、我々は素晴らしい決断を下した。そしてケブは目標ラップタイムを設定しながら素晴らしい走りで彼らを抑え、ニコは完璧な走りを見せた」