ホンダは、トルコGP決勝レースで、ジェンソン・バトンが11位、ルーベンス・バリチェロは14位。スペインGPに続くポイント獲得はならなかった。各ドライバー、タイヤの選択が分かれる中、今回のレースでF1参戦257回という最多記録を達成するバリチェロはソフト側のオプションタイヤ、バトンはハード側のプライムタイヤでスタートした。
開始早々、1コーナーの事故で、セーフティカーが導入された。3周目からレース再開。バトン11番手、バリチェロ12番手で上位陣を追う。ともにかなりの燃料を積んだバトンとバリチェロは、18周目に1回目のピットインから出てきたマーク・ウェバー(レッドブル)に引っかかり、思うようにペースを伸ばせない。とはいえ、上位陣が続々とピットに入ったことで、25周目にはバトン8番手、バリチェロ9番手まで順位を上げる。ほぼ中盤の27周目、まずはバリチェロがピットイン。15番手でコースに復帰する。そして、31周目まで引っ張ったバトンは、すぐ後ろを走るティモ・グロック(トヨタ)と同時にピットインし、オプションタイヤに履き替えた。グロックより前でコースに戻り、11番手を走行する。両ドライバーともに、1回ストップ作戦を採った。その後、バトンはネルソン・ピケJr.(ルノー)に猛追される展開に。そして、35周目にピケJr.、さらに続けてヘイキ・コバライネン(マクラーレン)にかわされ、13番手を走行する。45周目にピケJr.がピットイン。その後、14番手を走行中のバリチェロは、ピケJr.に僅差で追われるが、なんとかこれをしのぐ。結局バトンは先行車のピットインで順位を上げて11位、バリチェロは14位でフィニッシュとなり、2戦連続のポイント獲得はならなかった。ジェンソン・バトン (11位)「なんとかスタートポジションから少し順位を上げることができたが、僕らにとっては残念なレースだった。スタートはよく、1周目はすばらしいラップだった。しかし、レース中のペースは期待したほどではなかった。最初のスティントではブレーキのオーバーヒートのため、フロントタイヤに問題が生じ、ややタイムを落とした。そこで戦略を変更して1ストップにしたのだが、それがとてもうまくいった。残念ながら、ここでは燃料搭載量の影響が非常に大きかったため、2ストップ作戦を取るペースの速いクルマを抑え込むことは難しかった。これから再びポイント獲得を目指すために、さらなる進歩が必要だ」ルーベンス・バリチェロ (14位)「今日は、僕らには戦うための十分な速さがなく、マシンのパフォーマンスも足りず、残念なレースだった。第1スティントでアンダーステアが出て、トラフィックにもひっかかってしまったので、予定より少し早くピットストップを行い、スペースのあるところに出ようと試みた。そのあとは、最後まで特に何も起こらなかった。次の2回のテストで懸命に作業し、ペースを上げていかなければならない」ロス・ブロウン チームプリンシパル「昨日の予選では競争力に欠けていることに驚いたが、今日のレースはいつも通りだろうと考えていた。数周の間、両ドライバーがバランスに苦しんでいるのを見て、我々にはポイントを獲得するだけのペースが不足していることがわかった。そこで、戦略を変え、2台とも1ストップ作戦に切り替えた。主に、後ろにいるクルマからポジションを守るためであり、これは成功した。レース中盤にセーフティカーが入っていれば、ポイント獲得もあったかもしれない。それが今日唯一の可能性だった。モナコとモントリオールに備えるため、フランスのポール・リカール・サーキットでテストを行う。さらに、バルセロナで空力のテストを行い、空力開発の性能評価をする予定だ。これまでのレースで最も高いレベルのダウンフォースを必要とするモナコには、見た目にもわかる新パーツを投入する。しかしながら、今年のレースで一番高いダウンフォースレベルが求められるのは、モナコではないと予想している。我々の予想では、シンガポールではさらに高いダウンフォースを必要とするだろう。モントリオールはそれとは全く違ったタイプのサーキットで、ストレートでの速さが必要とされる」
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