F1アメリカGPの決勝は、ファイナルラップまでもつれる激しい戦いとなり、マックス・フェルスタッペンが優勝。セルジオ・ペレスが3位に入り、レッドブル・レーシング・ホンダは2戦連続のダブル表彰台。ホンダとしては1991年以来30年ぶりのアメリカGP制覇となった。レッドブル・レーシングにとっては、これが通算200回目の表彰台獲得。奇しくも1965年のメキシコGPでホンダ RA272がF1初勝利を挙げた10月24日に達成となった。
表彰台には、山本雅史マネージングディレクターがコンストラクターの代表として登壇した。アキュラのロゴをまとっての勝利と合わせ、ホンダとして記録と記憶に残るレースになった。ポールポジションからスタートしたフェルスタッペンだが、スタート直後のターン1でルイス・ハミルトン(メルセデス)に先行を許す。しかし、レッドブル・レーシングはこれを戦略で挽回。序盤の10周目にピットインを行ってペースを上げ、アンダーカットによってリードを奪い返そうと試みむ。ペレスは3番手をキープして、12周目にミディアムタイヤに交換。数周後にハミルトンも反応してピットインを行い、フェルスタッペンが首位に浮上した。10番グリッドとなった角田裕毅は、好スタートを決めて8番手にポジションアップ。8番手スタートのピエール・ガスリーは、10番手にポジションを落としたものの、バルテリ・ボッタス(メルセデス)をパスして9番手に浮上。スクーデリア・アルファタウリ・ホンダの2台は連なって序盤を走行する。9周目に角田がピットイン。ガスリーはその次の周にピットインしたものの、マシンのリア部分に不調を訴えてピットへ戻り、残念ながらそのままリタイアとなった。レース中盤では、ハミルトンが差を詰めてきますが、レッドブル・レーシングはアグレッシブな戦略を採り、ハミルトンのアンダーカットを防ぐべく、フェルスタッペンが29周目に2度目のピットインを行ってハードタイヤに交換。チームはコース上でのポジションを重視し、ここから最後まで走り切る作戦に出る。ペレスは32周目に2度目のピットストップを行い、3番手のポジションをキープ。角田は34周目にピットへ入ると、ポイント圏内を目指して前方のマシンを追いかける。早めのピットインを行ったフェルスタッペンは、ハミルトンに対して8周古いタイヤでの走行となる。ハミルトンはタイヤ交換後から差を詰め始めるものの、フェルスタッペンもペースをうまくマネージして対応。最終ラップに入った時点で2人の差は1秒を切っていたが、最後にペースを一段上げたフェルスタッペンが、1.3秒差でチェッカーフラッグを受け、今季8勝目を挙げた。ペレスは、ドリンクシステムの不具合によって水分補給がままならない中でのレースとなったが、順位をしっかりと守って3位フィニッシュ。コンストラクターズチャンピオンシップでは、レッドブル・レーシング・ホンダがメルセデスとの差を13ポイント詰めた。角田もポジションを譲らずに9位でレースを終え、2ポイントを獲得している。ドライバーズチャンピオンシップでは、フェルスタッペンがリードを拡大し、シーズン残り5戦で12ポイント差となった。次戦は、2週間後の11月8日(日)に決勝が予定されているメキシコGPで、ペレスの母国GPとなる。田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)「今日のアメリカGP決勝は、レッドブル・レーシング・ホンダのフェルスタッペン選手がポール・トゥ・ウインで優勝を飾りました。ペレス選手が3位に入り、前戦トルコGPでのホンダスペシャルカラーに続き、今回はアキュラをリアウイングに付けたマシンで、2戦連続のダブル表彰台を獲得することができました。フェルスタッペン選手は早めにピットインする戦略を採り、それに対してピットインを遅らせたハミルトン選手が終盤激しく追い上げを仕掛けてきましたが、レースペースを見事にマネージしてポジションを守り切り、優勝しました。マックス選手の素晴らしい走りで、とてもエキサイティングなトップ争いになったレースだったと思います。チームメートのペレス選手は、週末を通して速さを見せ、2戦連続の3位を獲得。コンストラクターズチャンピオンシップを争うチームに大きく貢献しました。また、今回は山本さん(マネージングディレクター)が表彰台に上がりましたが、レッドブル・レーシングからのうれしい計らいとリスペクトに感謝しています。スクーデリア・アルファタウリ・ホンダの角田選手は、素晴らしいスタートで2台をオーバーテイクすると、その後も粘り強い走りで9位入賞を果たしました。6戦ぶりのポイント獲得、2戦連続のQ3進出と合わせて今後もこの勢いを持ってシーズン終盤を戦ってくれればと思います。ガスリー選手についても、序盤は入賞圏内でいい走りを見せていただけに、サスペンショントラブルによってリタイアせざるを得なかったことは残念でした。次戦は、ペレス選手の母国メキシコでのレースとなります。今シーズンのレースも残り5戦となりましたが、我々にとっては長く厳しい戦いが続きます。一戦一戦の結果がとにかく大切になってきます。チームとともに万全の準備をして次戦に臨みます」マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング・ホンダ)「エキサイティングなレースでしたが、ここでファンの皆さんの前で勝利できるのは、素晴らしい気分です。レース中ずっとプレッシャーがあり、ルイス(ハミルトン)がどれほどの速さで追いついてくるのか分かりませんでした。僕のスタートは問題なかったと思いますが、ルイスがそれ以上によかったです。そこで、僕らはターン1でリードを失ってからはアグレッシブな戦略を採り、最初のスティントで早めにピットインをしました。第2スティントでは、僕らがアンダーカットされてしまうタイム差にいたので、それに対応しました。この暑さの中で、最後のスティントは非常に長くなりましたが、コース上でのポジションを重視しました。最後の2周はタイヤがかなり厳しく、グリップがあまり残っていませんでした。ただ、最後2周に入る際に、前方にハースのマシンがいてDRSを使うことができたので、最後まで順位を守り切れました。今日はチーム一丸となってすべてを出し切りました。チェコ(ペレス)と一緒に表彰台に上がれて最高の気分です」セルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング・ホンダ)「これまでで一番厳しく、長いレースでした。レース前から具合はあまりよくなかったのですが、1周目にドリンクシステムが止まってしまい、今日の暑い気候の中では体力的にとても厳しい状況でした。20周目を終える頃までは相当苦戦して...
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