2021年F1第10戦の舞台は、伝統の高速サーキットであるシルバーストーン。昨年は2週連戦の舞台となったが、今季は1戦のみの開催となる。昨年は2戦ともエキサイティングなレースとなり、1週目のイギリスGPでは、ファイナルラップにタイヤバーストが発生したルイス・ハミルトン(メルセデス)にマックス・フェルスタッペンが迫る展開に。2週目のF1 70周年記念GPではフェルスタッペンが完勝でシーズン初勝利を飾った。
1950年のF1世界選手権最初のレース以来、“F1のホーム”として人気を誇ってきたシルバーストーン・サーキットは、多くの高速コーナーが配置された、流れるようなレイアウトが特徴で、パワーユニットへの負荷も高いコース。サーキットから程近くのミルトン・キーンズに拠点を置くレッドブル・レーシングとホンダF1にとっては、前戦に続くホームGPの一つだ。今季は、レースフォーマットが変更され、史上初の「スプリント予選」が開催される。金曜日にFP1と通常フォーマットの予選Q1~Q3を実施。土曜日は午前にFP2を行った後、金曜の予選で決まったグリッドから17周もしくは最大30分間のスプリントレースがスタート。ここでの順位が日曜日の決勝レースのスターティンググリッドとなる。このスプリント予選では上位3台に3・2・1ポイントが付与されることから、チャンピオンシップ争いにおいても重要な戦いとなる。田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)「フランスとオーストリアでの3連戦を3連勝で終え、今週は英国・シルバーストーンでのレースになります。シルバーストーン・サーキットは高速サーキットとして知られ、F1カレンダーの中でも長い歴史を持っています。ホンダF1およびレッドブル・レーシングが拠点を置くミルトンキーンズから30分ほどの距離にあり、Red Bullにとっては先日のオーストリアに続くとともに、我々ホンダF1にとってもホームレースになります。また、今回のイギリスGPからF1初の試みとなる 「Sprint Qualifying Session」 が導入されます。金曜のFP1に続いて、通常は土曜日に行われる予選が行われ、その結果から土曜のSprint Qualifying Sessionのスタートポジションが決定されます。そしてSprint Qualifying Sessionはレース形式で行われ、その結果から、日曜の本戦のグリッドが決定されるというものです。チームおよびホンダF1としては、金曜午前に行われる1時間のプラクティスの中で、PUと車体双方のセッティングを決め、その後のセッションに臨まなければなりません。したがって、通常よりも大幅に短い時間で最適なセッティングを見出さなければいけないという、エンジニアにとっては非常にチャレンジングなフォーマットになります。事前のシミュレーションの正確さがいつも以上に試されることとなりますので、チームとともに今シーズン、また過去のシルバーストーンのデータを解析するなど入念に事前準備行って臨みます。今回も様々な意味で簡単ではない週末になりますが、ここまでのいい流れを維持する形で、大切なホームレースを闘いたいと思います マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング・ホンダ)「ファンが戻ってくることで、シルバーストーンの雰囲気は大きく変わるはずですし、イギリスの人々はモータースポーツが大好きなので、ここは特別な場所です。昨年は無観客で2レースを行いましたが、雰囲気は全く違いました。素晴らしいコースであることに違いはありませんが、ファンの皆さんがいることで雰囲気はずっとよくなります。みんなイギリス人ドライバーを応援していることは分かっていますが、皆さんが僕ら全員に向けてくれる情熱を目の当たりにすることが大好きです。皆さんにとってエキサイティングなレースになればと思っています。とてもいい形でシーズンのスタートを切れました。それはうれしいのですが、僕らはプッシュし続けなければならず、これまでの結果を振り返っているだけではいけません。僅差の戦いになっていくはずで、この先のシーズンも挑戦は続いていきますが、それによってエキサイティングな展開になると思います。オーストリアではマシンも非常によく、先行することができましたが、フランスでは残り数周で勝利をつかんだにすぎません。チャンピオンシップ争いはとても僅差で、現状のポイント差よりも実際の力は拮抗しているかもしれません。メルセデスが僕らを上回る厳しいサーキットもあるはずですが、僕らには最高のチームがついていますし、できることはすべてトライしてリードを保っていきたいと思います。スプリントレースを試してみることに異論はありませんし、予選前のフリー走行が少なくなることは結構気に入っています。ただ、今週末実際にやってみるまでコメントは難しいので、もう少し待ちましょう。どのレースでもリスクは取りますが、それをコントロールしなければなりませんし、チャンピオンシップを争っていれば尚更です。ただ、この1回のレースが最終結果を決めてしまうことにはならないはずです」セルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング・ホンダ)「オーストリアでは、僕にとっては思ったようなレースにはなりませんでした。あの日起こったことから学びましたし、レースではポジティブな面もありました。僕らはプッシュし続けなければなりませんし、僕は前を向き、今週末の戦いに目を向けています。シルバーストーンでのレースが待ちきれません。満員の観衆が入ることにもワクワクしています。シルバーストーンの雰囲気はいつも強烈です。また、チームメンバーの家族もレースを見に来られればと思っていますし、そうなればいいレースウイークになります。(シルバーストーンに向けては)ポジティブな気持ちで気分は高まっていて、再び表彰台に立てればと思っています。また、新しいフォーマットも面白くなるはずです。チームとしてこのフォーマットを理解すべく力を尽くしてきましたし、今週末に向けた準備や練習にも多くの時間を割きました。誰にとっても難しいものになるはずですが、エキサイティングであることは間違いないですし、これまでのハードワークが報われることを願っています。(他チームのアップグレードによって差が縮まると思うか?)きっとそうなるはずです。メルセデスがアップグレードについて語っているのを見ましたし、彼らは今週末非常に強くなるでしょう。もちろん僕らも手は尽くしますし、またトップに立てればと思っています。何が起こるか見てみましょう!」ピエール・ガスリー(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ) 先日の3連戦を振り返ると...
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