レッドブル・リンクでの2戦目となる第9戦F1オーストリアGPが初日を迎えた。FP1ではレッドブル・レーシング・ホンダのマックス・フェルスタッペンがトップタイムをマークし、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダも両セッションで上位につけるなど、ホンダF1パワーユニット勢は順調に走行を重ねた。FP1の序盤、角田裕毅はターン4でグラベルにはみ出す場面はあったものの、すぐにコースへ復帰すると、その後は問題なく走行を重ね、5番手タイムをマークする。
角田から2番手までの差は0.1秒未満と僅差だったが、フェルスタッペンは、2番手に0.266秒差をつけてトップに。ホンダF1パワーユニット勢は全車がトップ10入りし、セルジオ・ペレスが8番手、ピエール・ガスリーが9番手でFP1を終えた。なお、この日はピレリタイヤのテストも実施され、各チームに4セット、1ドライバーあたり2セットのテストタイヤが配られた。このタイヤは、リアの構造が新しくなったもので、初日の2セッションで使用し、その評価を行う。また、今大会は、先週よりも1段階柔らかいタイヤコンパウンドが採用されており、戦略への影響も大きくなる。FP2ではソフトタイヤでの走行が見られ、フェルスタッペンが3番手に。スクーデリア・アルファタウリ・ホンダは角田裕毅が6番手、そこから0.023秒差の7番手にガスリーと、FP2も上位で終えた。ペレスは11番手とタイムは目立たなかったものの、全ドライバーの中で最多となる39周を走行している。田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)「先週のシュタイアーマルクGP に続き、レッドブル・リンクで2週連続開催となるオーストリアGPの初日が終了しました。これが今回の3連戦の最終戦となります。今日は、前戦で収集したデータを元に準備をして、さらに本日の走行の中で最適化を進めていきました。4台のマシンともに大きなトラブルなく、順調に初日のプログラムを消化できたと思います。明日の予選、また日曜のレースでは、若干コンディションが変わる天気予報が出ており、雨の可能性もあるようです。天候の変化などにも備え、今日のデータを解析してセットアップを進めていきます」マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング・ホンダ)「FP2では完璧なアタックができないままでしたが、それでもマシンの感触はよかったですし、大きな問題はありません。メルセデスはソフトタイヤでかなり速いと思いますが、僕らはミディアムでの走りやロングランといったレースで重要になる部分は好調なので、ソフトでもう少しペースを上げられるようにしなければなりません。今日はピレリのプロトタイプタイヤもテストしましたが、問題ないように思います。少し路面が滑りやすくなりましたが、ドライブする分には問題なく、ロングランもいいペースで走行できました。メルセデスが少し向上してきているので、今週末も僅差の戦いになると思いますが、予選を見ていきたいと思いますし、重要なのはレースでの柔らかいタイヤコンパウンドの扱い方です」セルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング・ホンダ)「今日のロングランはとてもよかったのですが、まだ課題は多くあります。両セッションともに厳しく、柔らかいコンパウンドを履いたときのマシンの感触がまだ完全ではありません。今夜はデータを分析し、期待通りのペースを取り戻して予選に向けた準備をする必要があります。燃料搭載量を少なくしての走行では求めるバランスに達していませんでしたが、すぐに修正できましたし、タイヤのデグラデーション状況もいいことが確認できました。ピレリが新たなタイヤを持ち込みましたが、これをシルバーストーンで使うことになるので、事前にテストできてよかったです。全体的に、今日は多くを学べましたし、このレッドブル・リンクでたくさんのファンを見られたことも素晴らしかったです。明日の予選でいい結果を出して、日曜はいいレースができればと思います」ピエール・ガスリー(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)「今日は巻き返しを図るような気分でした。先週はFP2とレースでほとんど走行できていないので、ロングランに時間をかけるとともに、タイヤについての理解に取り組みました。ポジティブな要素が多くありましたし、相変わらずペースもいいです。ただ、僕らはコンディションが変わってくると苦戦する傾向にあるので、今夜エンジニアと一緒に確認して、明日に向けて変更していきます」角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)「今日は好調な一日で、先週のペースを引き続き発揮できてうれしいです。前回のレースで苦しんだロングランについて取り組み、とてもポジティブだったと思います。コンディションは楽ではなく、今週は気温がかなり低く、今日のFP2では終盤にかけて雨が降りました。今日の目的は、予選とレースに向けてできるだけ多くのデータを集めることでした。徐々にラップタイムを上げていきながら、ミスをせずに目的を果たすことができたので、満足しています」