ホンダF1でスクーデリア・アルファタウリのチーフエンジニアを務める本橋正充が、ピエール・ガスリーが3位表彰台、角田裕毅が7位入賞を果たした2021年のF1世界選手権 第6戦 F1アゼルバイジャンGPの決勝レースを振り返った。大波乱となったレースでは、姉妹チームのレッドブル・ホンダのセルジオ・ペレスが優勝。ホンダF1のパワーユニットのダブル表彰台は、2020年のバーレーンGP以来。異なる2チームが同時に表彰台へ登壇するのは、2019年のブラジルGP以来となる。
「ここは最初のセクターは狭い街中を走る入り組んだレイアウトで、その後はエンジン負荷が高い長いストレートがレイアウトされています。PUとしてはパワー、ドライバビリティー、エネルギーマネージメントなど、さまざまな要素をうまくバランスしなければならないとても難しいサーキットです」と本橋正充と語る。「そのような中でも、なんとかレース中にうまくマネージメントでき、我々としてできる限りのパフォーマンスを出すことができたと思っています。特にエネルギーマネジメントの設定は非常に難解ですが、HRD-SakuraとHRD-UKがここまで積み上げてきた努力と経験により、今日のレースもいい設定で走ることができました。両ファクトリーのエンジニアたちが開発を頑張ってきた成果が出たレースだったと思います」「荒れた展開ですので、レースオペレーションを担当するエンジニアとしてはすごく忙しく、かつ疲れるレースになりました。事前にチームと一緒にさまざまなシナリオを想定してきましたし、終始いい走りを見せていたガスリー選手が赤旗などのチャンスを活かし、表彰台を獲得できたことは本当にうれしく思っています。チーム一丸でレースができた結果だとも感じています」「角田選手についても、クラッシュはあったものの、昨日の予選からいいパフォーマンスを見せ、今日の難しいレースも走りきった上でポイント獲得と、非常にいい仕事をしてくれました。ここ数戦は苦しいレースもありましたが、色々と頑張って努力しているのも見てきましたし、今週末も初めてのコースで、頑張って習熟しながら、徐々にパフォーマンスを上げていってくれました」「5位になったとはいえ、コンストラクターズランキングは非常に拮抗しています。ただ、マシンのポテンシャルは高いので、取りこぼしなくパフォーマンスを出していけば、おのずと結果はついてくると思っています」「この後のレースでも、またアルファタウリと一緒に表彰台に上がれるよう、全力を尽くして戦っていきます!」