ホンダF1のマネージングディレクターを務める山本雅史は、F1撤退を発表したことでスタッフの結束力が高まっていると感じており、最終戦F1アブダビGPのようなレースができれば、2021年はメルセデスと戦うことができると自信をみせた。今シーズン、メルセデスと互角に戦うことを目標にF1パワーユニットを開発してきたホンダだが、シーズンが開幕するとメルセデスが大幅な進化を遂げていることが明らかになった。
シルバーストンで開催された第5戦 F1 70周年記念GPでレッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペン、第7戦 F1イタリアGPではピエール・ガスリーが勝利を収めたが、すでに両方のタイトルはメルセデスがほぼ手中にしていた。迎えた最終戦、マックス・フェルスタッペンは予選でポールポジションを獲得し、決勝ではスタートからメルセデスを引き離して1度もトップを譲ることなく優勝。来季に向けて期待をもたせる勝利だった。「メルセデスや他チームの伸びしろを綱領して開発を行ってきましたが、正直、メルセデスは2ストップくらい先に行ってしまったというのが開幕戦後の感想でした。ホンダとして、昨シーズンと同じ3勝を挙げることができて正直ほっとしています」と山本雅史は語った。ホンダF1は、第11戦F1アイフェルGPに先立って、2021年シーズン限りでF1から撤退することを発表。山本雅史は、この発表以降、レッドブルとアルファタウリとの結束力が高まったと感じていると語る。「レッドブルやアルファタウリのスタッフたちは非常に友好的に受け入れてくれました。結果的には結束力が高まったと感じています」「アルファタウリもそうですが、特にレッドブルは毎戦アップデートを投入し、トルコGP前後から良い効果が見られていました。そして、最後には来季に繋がる戦い方ができたと思っています」「ですが、1年を総じて見れば、厳しいシーズンだったと思います。今年得た知見を年末年始にフィードバックして、来年のテストに向けて準備して、ホンダとして最後のシーズンとなる来年をしっかりとやり切りたいと思っています」すでにホンダF1は撤退を決定しているが、2021年は体制に変化はないと山本雅史は語る。「大きくメンバーを変えるということはありません。田辺(豊治/テクニカルディレクター)から、一部のエンジニアを入れ替えを考えているとは聞いていますが、基本は変わらないです」と山本雅史はコメント。「レッドブルのエアロのアップデート、パワーユニットの使い方は、毎戦、学んでいるというのが正直なところです。そういう意味では、今日のようなレースができれば、来年はしっかり戦えると思っています」