ホンダF1は、2020年のF1世界選手権 第14戦 F1トルコGPでレッドブル・レーシング、アルファタウリ・ホンダの4名のドライバー全員が好結果を残せるようにチャレンジを続けていく。7月に開幕して以来、短いスパンでレースを開催してきた異例のシーズンも残り4戦。今週末は2011年以来のF1開催となるトルコGPとなる。今年のレースカレンダーは、コロナ禍の影響により、年初に計画されていたものから大きく見直しが図られた。
改訂されたカレンダーには、かつてF1が行われていたサーキットや、F1初開催となるサーキットが計5会場含まれており、今回のトルコ・イスタンブール・パークもその一つ。2005年から2011年までF1グランプリが開催されてきたイスタンブール・パークは、ヘルマン・ティルケによって設計され、5.4kmの全長に14個のコーナーを持つ近代的なサーキットだ。世界各地にある名の知れたサーキットのコーナーのデザインをオマージュしていることで知られており、アメリカのラグナ・セカ・サーキットの“コークスクリュー”を模したターン1や、ニュルブルクリンクの旧サーキットの一部にも似た複数の頂点を持つ長いコーナーのターン8などが配されている。前戦のF1エミリア・ロマーニャGPでは、アルファタウリ・ホンダのダニール・クビアトが4位入賞という結果はあったものの、ホンダとしては開幕戦以来11戦ぶりに表彰台を逃した悔しいレースになった。シーズン終盤に向けて今回のレースでも巻き返しを期して、今回は4名のドライバー全員が好結果を残せるようにチャレンジを続けていく。田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)「今週末は、アジアと欧州の間にあたるトルコでのレース開催となります。レースが行われるイスタンブール・パークはイスタンブール郊外にあり、アップダウンがある地形の中に低速から高速まで様々なコーナーを配した近代的なサーキットです。また、前戦のイモラと同様に反時計回りであることも特徴の一つです。以前、このサーキットでは2005年から2011年までF1が開催されており、ホンダとしても2005年から2008年まで4回のレースに出場しています。今回は2011年以来の開催となり、現行ハイブリッドレギュレーションでの初走行となります。今年ここまでいくつかレースをしてきた現行レギュレーション下初のサーキットと同じく、ここでも事前のシミュレーションと金曜のプラクティスセッションが大切になりますので、これまでの経験も踏まえた上で最適化を進めていきます。先日のイモラでのレース結果はリタイアなど残念な部分がありましたが、ここ数戦2つのチームともにマシンに速さが見られており、対他競争力という点ではいい流れができていると感じています。今週は気持ちを入れ替えて、速さを確実に結果に繋げていけるように準備をして臨みます」マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)「新たなサーキットへ行くのがとても楽しみです。今季はこうしたサーキットがシーズンをよりエキサイティングなものにしています。僕は初めてイスタンブール・パークへ行くのですが、ほかにも行ったことのないドライバーが何人いるのかは分かりません。ただ、もし経験のあるドライバーがいたとしても、かなり前のことなので、大きなアドバンテージにはならないと思います。地元の料理を食べるのも楽しみで、ケバブはなかなか美味しいと聞いています!ここはかなりの高速サーキットで、シミュレーターでは一周すべてがとても楽しめました。オーバーテイクもできそうです。ストレートが多くコーナーの幅も広いので、さまざまなラインを取ることができて面白いはずです。とはいえ、たくさんオーバーテイクが必要な状況にはならないことを願っています(笑) レッドブル・レーシングはここで300戦目を迎えますが、これはチームによる素晴らしい節目です。また、僕のフロントエンド担当メカニックであるオーレと、ストラテジストのウィルが、参戦当初からチームにいるというのもすごいことです。オーレとクリスティアン(ホーナー代表)が一度も欠場していないのも信じられません。16年以上もです! イモラのレースはうまくいきませんでしたが、起きてしまったことはしょうがないですし、僕らが結果を変えるためにできることはありませんでした。最終戦まで、できるだけメルセデス勢に近づき、彼らに対してプッシュできるように挑み続けます。ピットクルーはシーズンを通じて最高の仕事をしてくれていますし、それがレースでのアドバンテージにもなっています。ここまで僕らは全レースで最速ピットストップを獲得していると思いますが、とても素晴らしいことです」アレクサンダー・アルボン(レッドブル・レーシング)「イモラでは2日間開催を楽しみました。来年はさらにレース数が増えるので、2日間フォーマットについてもっと検討すべきではないかと思います。もちろん、フリー走行は慌ただしくなりますが、それも楽しいものなので、このフォーマット導入を増やすべきと考えています。土曜日はさまざまなことに取り組み、万事うまくいきましたし、こうした短時間での準備に必要なことはすべてこなせたのは、ポジティブなことでした。2日間開催になれば、メカニックは1日多く家にいることができますしね!ただ、僕にとってはやや厳しい週末となってしまいました。予選は悪くなかったのですが、マシンバランスと快適性に少し苦しみ、ポテンシャルをフルに引き出すことができませんでした。今年はいくつか新しいサーキットを経験していますが、どれも素晴らしいものです。ただ、F1はどうレースをするかを考えたほうがいいと思います。今年訪れた新たなサーキットはとても楽しく、レギュラーで開催されるところよりも好きな場所があるのは確かです。ただ、ポルティマオは異なるレイアウトを選択したほうが、オーバーテイクが増えてもっとよくなったと思いますし、イモラもそうかもしれません。トルコには行ったことがないので、新たな体験を楽しみにしています。コースはオンラインで走った経験はありますし、子どもの頃にTVでF1レースが開催されるのを見たことがあります。印象的に映りましたし、オーバーテイクのできる場所もいくつかあるように見えます。コースは僕らのマシンと相性がいいのではないかと思いますが、パワーも求められそうです。コースに出るのが楽しみですし、いくつか新たなアイテムを試すので、マシンのチューニングをしてどうなるか見てみたいです。過去のデータを見てマシンのパフォーマンスを理解しましたが、当時のイスタンブールで僕らは...
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