F1シュタイアーマルクGPの2日目は予選のみの走行となりましたが、ホンダのF1エンジンを搭載するアストンマーティン・レッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリ・ホンダの両チームにとってはドラマチックなセッションにった。フリー走行3は激しい雨でキャンセルになったが、予選の1時間前には雨がやみ、予選は行われることになった。しかし、再び雨が降ってきたことから、予選Q1は予定より46分遅れでスタート。ウエット・コンディションの中、ホンダF1勢の4台はすべて予選Q2へと進む。
予選Q2では雨が激しさを増し、ラップタイムの更新が難しくなる。フェルスタッペンは2番手、ガスリーは5番手、アルボンは8番手で予選Q3進出を決めた。クビアトは0.2秒以下の差でQ3進出を逃して14番手で終えた。決勝Q3の最終ラップでは、フェルスタッペンとハミルトン(メルセデス)がポールポジションを巡って競い合った。フェルスタッペンは2番手で最終ラップに突入すると、第1セクターをファステスト・タイム、第2セクターを自己ベストで走るが、前にマシンが走っていた影響もあり、最後から2番目のコーナーでスピンを喫し、ポールポジションには届かなかった。アルボンとガスリーは難しいコンディションの中、フロントローを獲得したフェルスタッペンから遅れること約0.5秒で、それぞれ6番手と7番手だった。日曜日の決勝はドライ・コンディションになる見込み。チームは、金曜日のドライでのデータを分析し、シーズン第2戦の決勝に備える。田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)「今日はFP3が激しい雨でキャンセルされ、その後予選前に雨脚が弱まったものの再度強く降りだすなど、非常に難しいコンデションでの予選となりました。そのような中でアストンマーティン・レッドブル・レーシングのフェルスタッペン選手が2番手を獲得し2戦連続でフロントローからのスタートとなります。チームメイトのアルボン選手、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダのガスリー選手もQ3に進出し、他車のペナルティにより明日のレースはそれぞれ6番手と7番手からのスタートになります。ドライコンディションが予想されるレースに向けて、いいグリッドポジションだと考えています。明日は4台が完走し、それぞれのドライバーがさらにポジションを上げてレースを終えられることを目指し、準備を進めます」マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)「難しいコンディションの予選でしたが、2番手という結果には満足しています。予選Q1とQ2はいい走りができていましたが、Q3では雨量が増し、水たまりも多くなりました。オーバーステア気味になり、バランスを取るのが難しかったです。最終ラップはもっといい走りがしたかったです。最終コーナーでスピンしてしまいましたが、それがなくてもルイス(メルセデス)には敵わなかったと思います。明日の決勝はドライになる見込みですし、優勝を目指して走ります。フロントローからのスタートですし、メルセデスに勝ってより多くのポイントを獲得したいです」アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)「もっといいドライビングができるはずでした。最終ラップは路面の状態がよくなりスピードも出ていたので、ミスがなければ3番手になれたと思います。マシンのバランスは先週の方がよかったです。まだ課題が残っているので、今夜セットアップを進めたいと思います。今週もレースペースは良好なので、決勝ではいい走りをしたいです。どのチームも先週のデータがあるので、明日は戦略をしっかりと練ることが大切です。できるだけのことをしたいと思います」ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)「今年2戦目にして今シーズン初の予選Q3を走ることができ、結果にとても満足しています。ウエット・コンディションでの走行を楽しみました。タフな予選でしたが、楽しく走れましたし、最大限チャンスを活かしました。最終ラップでイエロー・フラッグが出てしまったのは残念でした。それがなければ0.2~3秒速く走れていたはずで、5番手あたりにポジジョンを上げることもできたと思います。でも、ノリス(マクラーレン)にペナルティーが科されているので、明日の決勝は7番手からスタートできることになりました。今日の結果にはとても満足しています。明日は今日とは違うコンディションになりそうですが、またポイントを獲得できるようにがんばります」ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)「考えていたよりもよくない結果でした。予選Q1までは問題なかったのですが、Q2では何回もスリップしてしまいました。久しぶりのウエットの割にはしっかり走れましたが、十分ではありませんでした。ベストは尽くしましたが、結果には満足していません。明日の決勝はどんな展開になるか分かりませんが、確実な走りで入賞を目指します。チャンスがあれば、ものにしたいです」