ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治は、2019年からレッドブルの両チームに供給していることが、F1パワーユニットの開発ペースを改善できた重要な要因だと語る。ホンダF1は、F1がV6ターボハイブリッド時代に突入した1年後にマクラーレンのエンジンサプライヤーとしてF1に復帰。しかし、ホンダのF1パワーユニットは信頼性問題の多発とパフォーマンス不足が露呈し、わずか3年でマクラーレンとホンダは決別することになる。
2018年からホンダF1はトロロッソとのパートナーシップを開始。ゆっくりと、だが確実にF1のハイブリッド技術を理解したホンダF1は、計画通り2019年からレッドブルにもF1パワーユニットの供給を拡大。昨シーズンを通して大幅な進歩を果たした。マックス・フェルスタッペンの活躍により、ホンダF1は13年ぶりの勝利を皮切り3勝を達成。しかし、ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治は、ホンダは最近の好成績にも決して胡坐をかくことないと語る。「昨年、2つのチームに提供しましたが、その両方がレッドブル・テクノロジーを介した同じファミリーの一員であったため、開発スピードを上げることができました。それは今シーズンにも引き継がれます」と田辺豊治はコメント。「日本のさくらと英国のミルトン・キーンズの施設の全員が、PUからさらにパワーを引き出すために一生懸命働いています」「もちろん、パワーは信頼性なしでは成り立ちません。今年はF1カレンダーが史上最長の22レースとなるため、さらに困難なものになります」田辺豊治は、2020年はF1のエンジン規則が変更されないおかげで、ホンダF1のエンジニアリングチームがさらに前進できると確信していると語る。「PUに関連する技術規制は昨年以来ほとんど変わっていません。そのため、2019年に4台すべてのクルマで得た経験に基づいて前進することができました」「我々たちは一歩前進できると信じており、我々の目標は昨年よりもさらに良い結果を出すことです。どのスポーツでも、パフォーマンスは競技者のパフォーマンスとの関係でのみ判断できるため、レースを開始するまではどれだけ成功するかを予測するのは不可能ですけどね」