ホンダF1の広報を務める鈴木悠介が、オフシーズンのホンダF1の動きについてを説明した。「今月初旬のアブダビGPを最後に、F1は現在オフシーズンに入っています。オフとは言うものの、それはつまり来季に向けた準備が佳境であることを意味しています。ファクトリー側ではチームとの度重なる会議や、カレンダーとにらめっこしながらの昼夜を問わない開発が続いています」と鈴木悠介はコメント。
「ホンダF1のメンバーはシーズンが終わった今も、日本と欧州を行き来する日々が続いています」「このあと、年明け以降はチームとのさまざまな開発関連イベントが始まります。以下、簡単に今後のスケジュールも紹介したいと思います」・ファイアアップまずは車体とPUを初めてつなげてPUを始動する「ファイアアップ」から始まり、その後、車体側と連動した形のベンチ上でのテスト(シミュレーション)が、サーキットでの実走行を前に連日連夜行われます。ファイアアップは例年緊張の瞬間で、マシンが初めて産声を上げる瞬間と言えるでしょうか。車体とエンジンのシステムがうまくつながっていない等の不具合がある場合には、始動までに時間を要することもあります。・シャシーと連動したベンチテスト(VTCテスト)このVTCテストは、エンジニア曰く年間で最も過酷なイベントで、合宿のような日々が終わった後には、頭も身体もボロボロだそうです。ただ、ここはサーキット走行を前に多くのことが発見できる貴重な場でもあり、大小のトラブルのつぶし込みをした上で、バルセロナで行われるシーズン前テスト(実走)に向かいます。・実走テスト(ウィンターテスト)オフシーズンのF1マシンは本当に直前、いつもヒヤヒヤするぐらいギリギリのタイミングまで組み上げ作業が続くのが常ですが、例年なんとか間に合わせます。(実はプレスリリースに使用されるスタジオショットなども、走行前夜にサーキットのガレージ内で撮られたりしています。)来年は2月19日から、いよいよ初めての本格的なトラック走行となるウィンターテストがバルセロナで始まります。2020年は合計6日間の走行と、例年よりも2日短いスケジュールとなり、いつもよりもさらにプログラムが詰め込まれると思うのですが、3月の開幕前にある唯一の走行機会ですので、一刻も無駄にするわけにはいきません。