ホンダF1は、2020年F1エンジンは今季のものと“非常によく似たものになる”と語る。ホンダは、V6ターボハイブリッド時代に突入した1年後の2015年にマクラーレンのワークスパートナーとしてF1に復帰したが、マクラーレン・ホンダのプロジェクトが終焉を向けるまでの3シーズンで大きく苦労することになる。
だが、トロロッソとのパートナーシップで再構築し、レッドブルにF1エンジンの供給を拡大して以来、ホンダは他のF1エンジンメーカーとのギャップを縮めるために明確な進歩を果たした。現在、パフォーマンスを見るけるためには多くの細かな細部を煮詰めてわずかなゲインを積み上げていくことが最善の方法となっている。ホンダは、2016年から17年にかけての冬の大規模なオーバーホール以来、エンジン設計を年々進化させており、今季は第4戦アゼルバイジャンGPで信頼性を重視したスペック3、新しいターボチャージャーを搭載してパフォーマンス向上を図ったスペック3、そして、夏休み後のロシアGPでスペック4を投入した。ホンダF1のマネージングディレクターを務める山本雅史は、2020年型のF1エンジンはこれまでのコンセプトと“非常によく似たものになる”と語る。「2020年までエンジンのコンセプトと“非常によく似た”ものになります」と山本雅史はコメント。「スペック1からスペック4まで、計画どおりすべてが順調に進みました。優れたチームであるレッドブルと、優れたフィードバックを提供する優れたドライバーであるマックス・フェルスタッペンのおかげで、開発が促進され、スムーズに進められたと言えます」ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治は「今シーズン、我々はスペック1からスタートしましたが、スペック2へのステップはわずかなものでした」と田辺豊治は説明する。「その後、スペック1からスペック2よりも大きなステップであるスペック3を導入した。さらにスペック4は、スペック2からスペック3よりも大きなステップでした。チームとドライバーと約束した通りとおりにパワーユニットを導入できたことには満足しています。シーズン中にチームに伝えたものとほぼ同じステップでした。トラックサイドのテクニカルディレクターとして、トラックサイドの観点でもパワーユニットの進歩にとても満足しています」マックス・フェルスタッペンもホンダの進歩には満足していると語る。「特にスペック4は進歩を果たした。それが大きな一歩となることはわかっていた。僕はずっと『もう使えるよね?』と尋ね続けていたよ。良い前進だった」とマックス・フェルスタッペンはコメント。「彼らはとにかく改善をもたらすために非常に懸命にプッシュしているし、そこに制限はない。彼らはそれのためにあらゆる手を尽くしている」しかし、田辺豊治は、現在のレギュレーションからF1パワーユニットで大きなパフォーマンスを見るけるのはこれまでよりも難しくなっていると語る。「以前よりも難しいと思ってます。ハードウェア、ソフトウェア、そしてトラックサイド管理などに関しても、あらゆる分野で正確である必要があります。ですので、我々は押し続けています。パワーユニットは、ICE(内燃エンジン)、MGU-HとMGU-Kなどのすべてのシステム、そして、水とオイルを意味します。また、ツール、ソフトウェアなど、やるべきことはたくさんあります。ですが、それは大きな一歩か? おそらくそれは難しくなるでしょう」近年、ホンダが明確な進歩を遂げた分野として信頼性に関連した進歩が挙げられる。レッドブルだけでなく、トロロッソも2019年のF1世界選手権でパワーユニット問題に起因するリタイアはなかった。それでも、田辺豊治は信頼性に取り組む必要があるという事実を隠すほどではないと語る。「日曜日のレースでマシンを止めなければならないような故障は発生しませんでした」と田辺豊治は語る。「それは我々にとって良いことでした。しかし、アブダビでのフェルスタッペンの状況のように、ストップこそしなかったものの、まだ改善すべき領域があります。また、実際にはいくつかの問題がありました。ですから、レースの週末のすべてをクリーンアップする必要があります」レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、2020年型のF1エンジンがすでにベンチテストで稼働していることを明らかにしている。「通常よりも14日早くエンジンがテストベンチで稼働しているのは初めてのことだ」とヘルムート・マルコは説明。「我々はこれまでにないほど素晴らしいコンセプトで準備された新しいシーズンに入る」とヘルムート・マルコは付け加え、エイドリアン・ニューウェイと彼の技術チームがRB16で遅れる恐れを払拭した。ホンダは2020年もレッドブルとトロ・ロッソの両方にパワーを供給し、最近、2021年にむけて供給契約をさらに1年延長している。
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