ホンダのF1エンジン勢にとって、F1メキシコGP決勝はAston Martin Red Bull RacingとRed Bull Toro Rosso Hondaの全4台がトップ10フィニッシュを果たしたものの、ペナルティーにより3台入賞にとどまる結果となった。前日の予選では、マックス・フェルスタッペンがトップタイムをマークしたが、その後のペナルティーによって4番グリッドへ降格。決勝では好スタートを決めてルイス・ハミルトン(メルセデス)をかわしにかかったものの、ターン2で接触を受けて大きく順位を落とした。
一方、5番手スタートのアレクサンダー・アルボンは、この混乱を避けて3番手に浮上。前を行くフェラーリ勢2台を追う展開となった。ダニール・クビアトとピエール・ガスリーは、9番手と10番手のポジションをキープし、両ドライバーともに序盤でソフトタイヤからハードタイヤへ交換。前方からスタートしたマクラーレン勢の前でレースを進めるなど、好調な出だしとなる。フェルスタッペンは、ポジションをばん回すべくプッシュし、スタジアムセクションでバルテリ・ボッタス(メルセデス)のインに飛び込む見事なオーバーテイクを見せるが、このときに接触を受けて右リアタイヤがパンク。最後尾へと後退する。この5周目にハードタイヤへ交換すると、チェッカーフラッグまでハードタイヤを持たせながらオーバーテイクを繰り返し、6位でフィニッシュした。アルボンは2ストップ戦略を採用し、2スティント目をミディアム、最終スティントをハードで走行。1ストップ作戦を採った上位勢に次いで5位でチェッカーフラッグを受けた。クビアトとガスリーも2ストップを行い、10番手と11番手で最終ラップに突入。クビアトは9番手のニコ・ヒュルケンベルク(ルノー)を追い詰めるが、パスしようとした際に接触してしまい、10秒のタイムペナルティーを科される。この結果、ガスリーが9位、クビアトが11位となった。田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)「今日のメキシコGP決勝は、昨日の予選までの速さを結果に結びつけることができず、我々にとっては残念なレースになりました。Aston Martin Red Bull Racing のアルボン選手は前を走るマシンに迫りながら、確実なパフォーマンスでグリッドポジションを守り、5位でフィニッシュしました。ペナルティーのため4番手スタートのフェルスタッペン選手は、スタートでの接触と、またその直後の接触によるタイヤバーストなどの不運がありましたが、それでも何とかレースに復帰し、最後尾から6位までポジションを回復してレースを終える形になりました。トップ10圏内のグリッドを獲得したRed Bull Toro Rosso Honda の2台は、ユーズドタイヤでのスタートとなったため、後方からニュータイヤを履いて迫るライバルに対して不利な展開になりましたが、それでも最後はガスリー選手が9位入賞と貴重なポイントを持ち帰ってきてくれました。シーズンは残り3戦となりましたが、来週末にはアメリカでのレースが待っています。残りのレースを一戦一戦、大事に戦っていきたいと思います」アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ/5位)「今日のレースは楽しめたので、悪くはない一戦でした。ペースにおいては今シーズンでベストと言えるぐらいのレースで、トップ集団からもそう離れた場所ではありませんでした。スタート直後は3番手につけることができ、表彰台圏内にいることにとても興奮しました。トップ集団で戦えたことはうれしかったのですが、残念ながらライバルの1ストップ作戦のほうがうまくはまったようでした。僕たちに1ストップ作戦を採れるほどのペースやタイヤの持ちが残っていたかどうかは確かでなく、2ストップの戦略を採るしかありませんでした。最初のピットストップ後、サインツ選手の後ろでコースへ復帰したときが特に、トラフィックから抜け出すのに時間がかかってしまいました。しかし、ここはトラフィックから抜け出しオーバーテイクするポイントがいくつもあるコースだとは思います。チームのみんなはこのレースで最速のピット作業をしてくれたので、結果に繋げることができたのだと思います。彼らにとって多忙なレースウイークになったはずなので、これから結果でお返しをしていきたいと思います。順調に成長できていると感じているので、総合的な自分のパフォーマンスには満足しています。ラップタイムもだんだん速くなってきているので、残り3レースでさらに速さを追求して頑張りたいと思います」マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ/6位)「僕らのマシンで今日の6位という結果は望んでいたものではありませんが、今日起こったさまざまな状況を考えると、いいレースができたと思います。スタートはうまくいきましたが、ルイス(ハミルトン)はフェラーリ勢に追いやられて芝生の近くまで行ってしまい、スピードを失っていたのだと思います。彼はターン1の外側からコースへ戻ってきて、ターン2でのディフェンスでかなり深い位置まで行ったので、僕は彼を避けようとして芝生へ飛び出してしまいました。バルテリ(ボッタス)をオーバーテイクした際に接触を受けてリアタイヤがパンクし、そこからほぼ一周かけてピットへ戻りました。その後は1ストップで走りきらざるを得ず、66周を走行することになったので、とても遅いラップとなりました。ペースもマシンもよかったので結果は残念ですが、今日の出来事を考えれば、6位という結果は悪くないと思います」ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ/9位)「簡単にはいかない週末でしたが、今日はすべてを出しきりましたし、ポイントを獲得できてうれしいです。レースウイークを通じてマシンに競争力があったのはいいことです。ソフトタイヤでのスタートは理想的ではありませんでしたが、それでもなんとかしようとトライしました。最終的に戦略が機能して結果が出せたのは、チャンピオンシップの戦いにおいては大きな意味がありました」ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ/11位)「今日はユーズドのタイヤでスタートすることが決まっていたので、難しいレースになると思っていましたが、それでもポイントを獲得したいと考えて臨みました。今週は予選結果を優先してその分レースで(スタートタイヤについて)妥協しなければいけない形でしたが、このような状況でもいい走りができました。僕はレーシングドライバーですし、ここでは『レース』をすることが許されているはずなので、最後の接触によりペナルティーを受けたことについては納得していません。ニコ(・ヒュルケンベルグ)はポジションを守る立場で、僕はアタックする側でしたが、最終周の最終コーナーではこのよ...