F1ドイツGPの金曜日は猛烈な暑さに見舞われ、ホンダのF1エンジン勢にとってはFP2の終盤で発生したピエール・ガスリー選手のクラッシュで一日を締めくくった難しい初日となった。気温が40℃近くまで上昇する中、レッドブル・ホンダは序盤から調子のよさを見せ、マックス・フェルスタッペンがトップとわずか0.317秒差で4番手、ピエール・ガスリーが6番手でFP1を終えた。
14番手にダニール・クビアト、15番手をアレクサンダ・アルボンがマークしたトロロッソ・ホンダにとっては、新しい空力パーツのデータを収集できたと言う点で、実りあるセッションとなった。午後はさらに気温が上昇し、ドライバーが暑さに悩まされるコンディションとなった。FP2ではマックス・フェルスタッペンが5番手、ダニール・クビアトが12番手となり、チームメートのアレクサンダー・アルボンは14番手をマークしセッションを終えた。ピエール・ガスリーは15番手でロングランを走行中、最終コーナーでのオーバーステアに苦戦し、マシンのスライドを避けたためコースアウト。グラベルを越えてその先のコース外のバリアにクラッシュをしてした。マシンは大きな衝撃を受け、金曜夜の作業スケジュールは大きく変更される形になったが、幸いにもガスリーはPUやギアボックスの交換によるペナルティーを受ける必要はなく、レースウイークを続行できる予定だ。土曜・日曜ともに雨と今日より低い気温が予想されており、金曜に行われた2つのセッションから得られたデータをうまく活用できるかがこのレースウイークでの大きな課題となると思われる。田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)「今日のドイツグランプリ初日は、ヨーロッパを襲っている猛暑の影響で外気温37℃路面温度50℃という今シーズンで最も厳しいコンディションでのプラクティス走行となりました。土曜の予選、日曜のレースに向けては大きく気温が下がる予報が出ていますので、PUとしては高外気温に対処しつつ土日のクーリングなども考慮しながらセッティングを進めました。両チームとも通常の金曜日プログラムをほぼ消化しましたが、ドライバーコメントからはまだまだ改善が必要なようです。PU側もチームと協力して土曜、日曜に向けてセッティングの最適化作業を進めます。FP2終盤のガスリー選手のクラッシュについては、金曜日用PUを使用しており、明日以降の運用に大きな影響を及ぼすことはありません。ダメージ状況についてはこれから確認を行います」マックス・フェルスタッペン (レッドブル・ホンダ)「完ぺきなマシンバランスだったとは言えませんが、トップとそう離れているわけでもなかったので、今日は悪くない一日だったと思います。FP2ではソフトタイヤでのアタックを途中でやめなくてはならなかったため、クリーンラップでの走行はできませんでした。このコースでのソフトタイヤは1周しかもたないため、それ以上走った周ではタイヤのピークをすでに越えてしまっていました。メルセデスとフェラーリからは少し出遅れてはいますが、少しのチューニングでその差は詰められると思いますし、FP2の結果からみえるほどに差は大きくないと思います。明日からの天気やコンディションは変わってしまいそうですが、残りのレースウイークの方向性やマシンへの理解を深めるために、多くの周回を金曜に走れることはプラスになります。今日はとにかく暑くて汗をたくさんかいたハードな一日でした!」ピエール・ガスリー (レッドブル・ホンダ)「今日はすこし難しい一日でした。FP1ではマシンの調子もよく、いい走行ができたセッションになりました。通常のテストを行ったあと、FP2ではいくつか問題が発生しソフトタイヤでのショートランが実施できずポジションは後方となってしまいましたが、感触は悪くはありませんでした。残念ながらセッション終盤、最終コーナーの出口でマシンのコントロールを失ってしまいバリアに追突してしまいました。金曜日用のPUとギアボックスを使っていたことは幸いでしたが、今夜長い時間をかけて修復に取り組んでくれるピットクルーの皆んなに感謝すると同時に申し訳なく思っています。明日はコンディションが大きく変わりそうなので、今日のセッションの中で得られたデータを解析し適応していく必要があると感じています」ダニール・クビアト (トロロッソ・ホンダ)「今日は本当に暑かったです!異常な暑さでしたのでここから何を学べるかは分析を行わないとわからないのですが、明日に向けて改善していければと思っています。今夜解析するべき課題は多く、改善の余地は多いにあると感じています。明日までにもっと戦えるマシンへと改善をし、さらに力強いマシンで予選を迎えることができるよう取り組みます。明日は今日と全く違う天候が予想されているので、その変化に的確に対応していかなくてはなりません。このようなコンディションの変化は稀なので、どのチームも今日のセッションには苦戦していたと思います。今シーズンはいつもトップ10前後のポジションをマークできる速さを見せられています。このレースウイークも同様だと思うので、ここからどうやって更なる速さを得られるのか、理解を進めていく必要があります」アレクサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ)「まだ取り組むべきことはありますが、今日はそう悪い一日ではなかったのではないでしょうか。このレースウイークのために行ったアップグレードを、より理解する必要があると思います。トップ10入りするためには、マシンのバランスなど、まだ改善するべきことがあり、予選に向けてできるだけ最適化を進めていきたいと思います。明日に向けては天候が変わるようですが、今日は今まで経験したレースウイークで一番暑かったです。まるでマシンの中で顔にドライヤーを当てられながら走っているような感覚でした!」
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