ホンダは、F1に復帰した2015年は“完全な準備ができていなかった”と認める。2008年にF1から撤退したホンダは、2013年5月におよそ2年後の2015年からマクラーレンのワークスパートナーとしてF1に復帰することを発表。かつてF1で黄金時代を築いた“マクラーレン・ホンダ”の復活は大きな注目を集めた。
しかし、2014年にF1パワーユニットが導入され、ライバルよりも1年遅れでの参入となったホンダのF1エンジンは信頼性、パフォーマンスに欠け、2015年にマクラーレンはチーム史上最悪となるコンストラクターズ選手権9位でシーズンを終了。特にエネルギー回生の“デプロイメント”が弱点となった。翌年はパフォーマンスが上向いて6位まで順位を挙げたものの、ホンダは当時のコンセプトのパフォーマンスに限界を感じてエンジン設計を完全に見直した2017年は再びプレシーズンテストからトラブルが多発。これに端を発してマクラーレンとホンダはパートナーシップを解消。2015年と同じランキング9位でシーズンを終えている。ホンダF1のマネージングディレクターを務める山本雅史は「十分な準備が整っていなかったというのが最大の教訓でした」と語る。「もし、やり直せるとしたら、もっと早くに良いポジションにたどり着くために間違いなくもっと良い準備ができていたでしょう」ホンダとマクラーレンは2017年にパートナーシップを解消したが、2018年にトロロッソと組んで以降、ホンダは明確な進歩を遂げた。そして、今年、レッドブルとのパートナーシップを開始している。「マクラーレンと経験したことは貴重な教訓です。我々はそこから多くのことを学びました。それが我々を現在の場所へと導いてくれました」現在、ホンダは打倒メルセデスを目標に掲げていると山本雅史は続ける。「大変だとは思いますが、この道を進み続けていけば、いつかは彼らと戦えると思っています。我々はその方向に向かって頑張っています。プレッシャーが50パーセント、楽しさが50パーセントではありますが、モータースポーツは勝つか負けるです。我々は計画に沿って進歩していく必要があります」「この挑戦に取り組むにはF1は最高のステージです」