ホンダのF1エンジンを搭載したレッドブル・レーシングとトロロッソの4台のマシンは、F1中国GP初日のフリー走行で一日を通して力強いペースを見せた。2019年のF1世界選手権 第3戦 中国GPが上海インターナショナル・サーキットで開幕し、フリー走行P1とP2が行われた。レッドブル・ホンダは力強いペースを見せ、タイムシートの上位につけている。
P1で4番手タイムをマークしたマックス・フェルスタッペンは、P2でさらにタイムを上げて3番手に。セクター1では全体ベストを記録し、トータルでは首位に0.221秒差に迫っている。チームメートのピエール・ガスリーは、P1でソフトタイヤを使用したフェルスタッペンとの比較を行うため、主にミディアムタイヤで走行して7番手。P2では10番手となったものの、4番手タイムから約0.4秒差につけており、僅差の戦いとなっている。一方、トロロッソ・ホンダにとっては、慌ただしい一日となった。P1でダニール・クビアトのパワーユニット(PU)に異常が確認され、P2までに解析の時間がなかったこともあり、交換を決断。しかしながら、クビアトはミディアムタイヤで8番手と、ガスリーと遜色のないタイムをマークしていた。チームメートのアレクサンダー・アルボンは14番手でP1を終えたものの、クビアトとはわずか約0.25秒差。P2では、アルボンが37周、PU交換を終えたクビアトも20周を走行してデータを収集。両者は0.06秒差とほぼ同じタイムで、アルボン12番手、クビアト13番手となった。交換したPUに関しては、HRD-Sakuraに送付されるとともに、早急にデータの分析が進められる。田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)「今日の中国GP初日のセッションは、残念なことにFP1の終了後にクビアト選手のPUに異常が確認されました。FP2までに解析の時間がなかったため、PUの交換を決定しました。結果的にFP2の前半を失うことにはなってしまいましたが、迅速な作業により45分の走行時間を確保してくれたチームには感謝しています。交換したPUに関しては、早急にHRD-Sakuraに送り返すとともに、データの分析を進めます。その他のマシンについては、通常の金曜と同様にスムーズなセッションを行うことができました。僅差の戦いになっていますので、明日以降さらにセッティングを煮詰めて予選、決勝に向かいたいと思います」マックス・フェルスタッペン (レッドブル・ホンダ)「今日はかなりいい手応えでした。マシンのバランスがよく、ほとんど問題もなかったので、満足しています。バーレーンでは疑問符が付く結果となりましたが、今日の結果で、課題は解決して上位陣にかなり接近できたという自信を全員が感じています。ロングランはよかったのですが、ここ上海ではレース中ずっとタイヤをマネージできるか次第ですし、全員が同じ条件です。ここまでのペースには満足していますし、今夜はセットアップを微調整します。明日、ポールポジションを獲るのは難しいでしょうし、まだ自分たちの正確なポジションを語るには早いと思いますが、差はかなり詰められているので、レースでは戦えるのではないかと思っています」ピエール・ガスリー (レッドブル・ホンダ)「いつももっといい成果を求めてしまうものですが、今日のプログラムには満足しています。僕らは正しい方向に進んでいると思いますし、マックスはマシンのポテンシャルを示してくれました。FP1、FP2ともに多くのテストを行いできるかぎりの開発を進めましたから、今日投入したパーツの解析を進めていきます。FP2では、タイムを狙ってアタックしていたラップのセクター3でかなり手応えがありましたが、少しタイムをロスしてしまったので、マシンの伸びしろはまだまだあると思います。今は、明日に向けて集中し、セットアップを向上させなければなりません。ここは、タイヤのデグラデーションが大きく、コースレイアウトもフロントタイヤ、特に左側に厳しいサーキットです。予選向けとレース向けのセットアップのバランスを取らなければなりませんが、チームには知見があるので、明日また前進できると信じています」アレクサンダー・アルボン (トロロッソ・ホンダ)「今日は僕らにとってとてもいい一日でした。ここはテクニカルサーキットでラインも複数あるので、FP1ではコースの習熟に時間を割きましたが、すぐに慣れることができました。ドライブするほどにコースの学習が進んだので、マシンにも少し自信を持つことができました。FP1で学んだことをFP2で試してみましたが、まだ明日のFP3で取り組みたいことが少しあります。今日の内容には満足していますし、ロングランのペースもかなりいいと思いますが、まだタイムを上げる余力があると思います」ダニール・クビアト (トロロッソ・ホンダ)「FP1は実りの多い内容で、事前のプランをすべてこなせましたし、自分たちの競争力にも満足していました。FP2は予防的措置としてPUの交換を行ったために走行時間は少なくなったので、できることは限られてしまいました。また、周りのマシンが燃料を多く積んで走行していたこともあってトラフィックに引っかかる場面も多くありました。それらを差し引いても、僕らのポジションについては満足していますし、明日はこれをさらに進めていかなければなりません」
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