ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治が、F1ロシアGPでは使用を見送った新しい“スペック3”エンジンに言及。パフォーマンスには手ごたえを得ているとし、十分に煮詰めて次戦の鈴鹿では新スペックPUで臨みたいと語った。ホンダは、F1ロシアGPの初日にパフォーマンスと信頼性の両面の向上のために改善を施したパワーユニット(PU)を投入。規定数を超えるPUの使用によりペナルティーは科せられるが、次戦鈴鹿での日本GP、そしてシリーズ後半戦を見据えた新PU投入だった。
しかし、初日のプラクティスの中で、新たなPUのセッティングに関してさらなる調整が必要と判断し、プラクティスに向けて、前戦に使用したスペックのPUに交換することを決定。ロシアGPの予選、決勝ともに前戦と同じ仕様で走行することになった。ホンダは、次週の日本GPでは、ロシアGP初日に使用した最新の仕様が投入される見込みとしている。新しいPUについて田辺豊治は「昨日のFP1とFP2の走行の中で、新スペックのPUのパフォーマンスについていい手ごたえを得ることができました」とコメント。「一方で、実戦投入に向けてはPUのマッピングや車体とのマッチングなど、まだいくつか調整を必要とする部分を確認したため、今日と明日のセッションには使用せず、前戦までのスペックに戻す決定をしました」「それもあり、ここまでトロロッソ・ホンダのメカニックとエンジニアには非常に忙しい週末になっています。今日のセッションは普段よりもロングランにフォーカスしたプログラムでしたが、昨日と同様にマシンの感触は悪くありませんし、明日に向けてはいい手応えを感じています」「次戦の鈴鹿までには十分な煮詰めを行い、新スペックのPUとともに臨みたいと思っています」トロロッソの車体パフォーマンスマネージャーを務めるギヨム・ドゥゾートゥも新スペックのパフォーマンスアップを実感していると語る。「PUを元に戻したことによって、ストレートでの戦力的には昨日に比べれば少し落ちたかもしれません」とギヨム・ドゥゾートゥはコメント。「新しくアップデートされたPUのキャリブレーションやシャシートのマッチング調整を行う必要があると感じたため、この決断に至りました。グリッド降格は元々決定していたので、ホンダのこの決断には我々も完全に納得しています」トロロッソ・ホンダの両ドライバーも新スペックPUに好感触を得ていると語る。ピエール・ガスリーも「昨日搭載した新しいエンジンは改善された点がたくさんありすばらしい性能を見せている」とコメント。ブレンドン・ハートレーも「新しいPUは明らかに速く改善されていて、次の日本GPで最大のパフォーマンスを引き出せるようにこれから準備したいと思います」と語った。
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