ホンダは、F1パワーユニットのMGU-Hに影響を及ぼしている信頼性問題の原因を究明できていない。MGU-Hは、エンジンのターボチャージャーに直接接続され、排気の熱をエネルギーに変換するシステム。すでにホンダは、フェルナンド・アロンソとストフェル・バンドーンのMGU-Hとターボチャージャーを5基目に交換している。
先週、ホンダのF1プロジェクト総責任者を務める長谷川祐介は、MGU-Hの故障は“ベアリングの回転”に関連するものだと述べていた。だが、奇妙なことにMGU-Hの脆さを含めた大きな信頼性問題はダイナモテストでは現れておらず、ホンダのエンジニアは頭を抱えている。「我々はこの状況を改善する必要があります」と長谷川祐介はコメント。「ダイナモでの走行では結果が出ているのですが、サーキットは大きな問題を抱えています。ですので、我々は改良する必要があります。とにかく改良あるのみです」「すでにテストは行っています。正しい方向に進んでいると思います。我々はカナダにむけていくつか異なる改良を持ち込む予定ですが、交換したくはありません。問題が発生しない限り、現在のMGU-Hをキープしたいです。まだ目標としているマイレージに達していません」いまだノーポイントが続いてるマクラーレン・ホンダだが、全てがまとまった場合にはMCL32は印象的な速さを見せている。実際、F1モナコGPでは、ストフェル・バンドーンがリタイアするまでポイント圏内を走行。リタイアはホンダのエンジンが原因ではなかった。「それはかなり良いことです。ペナルティを受けなければ、ポイントを獲得のチャンスはありますし、もっと上位を狙えるかもしれません」と長谷川祐介は語る。「我々は2台揃ってポイントを獲得できたと思っています。とてもフラストレーションを感じています。ペナルティが全てでした。特にジェンソンにグリッドペナルティを科してしまったことにはとても落胆しています」