ホンダのF1プロジェクト総責任者を務める長谷川祐介は、6月のF1カナダGPまでにホンダがF1エンジンに大幅なアップデートを投入する準備を整えられるか確信できていないと語る。ホンダは、メルセデスやフェラーリに対する大きなパワー不足を縮めるべく、同社のV6エンジンの大幅な改良に取り組んでいる。
F1スペインGPの予選で7番グリッドを獲得したフェルナンド・アロンソだが、ポールポジションを獲得できるようになるにはホンダのF1パワーユニットにはまだ50馬力以上のパワーが必要だと述べている。ホンダは、さくらのダイナモで実験している燃焼技術を不具合なく6本のシリンダーに移行することに苦労している。ホンダは、独立系エンジン企業のイルモアの援助を求めているとされ、報道では進歩を加速させるための対策の一部としてメルセデスにコンサルティングを求めているともされている。当初、ホンダは来月までに最初の大幅なパフォーマンスアップデートを投入できることを期待していたが、長谷川祐介はF1カナダGPまでにアップデートを準備できるかは確信できていないと語る。「カナダはパワーサーキットですので、もちろん新しいエンジンを準備できるならば、投入したいです」と長谷川祐介はコメント。「ですが、まだ我々にそれができるか確信できていません」今シーズンここまで、ホンダはエンジンマップの変更と信頼性の微調整しかできていなかったが、バルセロナでは改良版のインダクションと燃料システムを導入。長谷川祐介は、今回のアップデートにより開幕4戦でマクラーレン・ホンダに影響を及ぼしていたドライバビリティの問題をほぼ解消することができたと語る。「エンジンコンポーネントは同じですが、インダクションシステムと燃料システムがアップされています」と長谷川祐介は付け加えた。「アップグレードはかなり適切なレベルのアップグレードですが、現在のトップチームとのギャップを考えれば、そこまで誇れるものではありません」2017年型のホンダのF1エンジンはプレシーズンテストの最初の走行から信頼性不足に苦しんでおり、第4戦F1ロシアGPではストフェル・バンドーンが早くもグリッドペナルティを科せられ、フェルナンド・アロンソは過去2戦でエンジン問題のせいでレースを完走できていない。さらに今週末のF1スペインGPでも金曜フリー走行の1周目でエンジンが故障し、90分を棒に振っている。長谷川祐介は、オイルシステムのメカニカル的なトラブルが金曜日の故障を引き起こしたと述べ、フェルナンド・アロンソが今シーズン初のQ3進出を果たして7番グリッドからスタートするレースで再発することはないと自信をみせている。「データによると、まずオイルを失って圧力が下がっていました。それでもエンジは動いていましたし、エンジンは問題ありませんでした。ですが、油圧が下がったことで、そのあとエンジンが壊れました」と長谷川祐介は説明。「油圧の低下はオイル供給のメカニカルな問題によって起こったと考えています」