昨年のF1復帰以来、パワーユニットの問題に見舞われているホンダだが、ライバルのエンジンメーカーからエンジニアを雇わないという決断を今も貫いている。信頼性とパワーの不足のホンダのパワーユニットを搭載するマクラーレンは、2015年を通じてグリッド後方に沈んだ。
ホンダのF1プロジェクト総責任者を務める新井康久は、チームが数々の問題に対処するのに苦戦したと認める一方で、今はその問題を理解していると語る。「5月のスペインGPまではまるでもぐらたたきのようでした」と新井康久は Nikkei Asian Review に語った。「一つの問題を解決した途端に、他の問題が持ち上がりました。我々はF1チームの人数を公開していませんが、その半数ほどがこの分野に詳しくありませんでした」「たとえエンジンの出力を増加したとしても、熱エネルギー不足によってストレートで160馬力ほどを失ってしまいます。基本的なハードウェア設計の徹底した見直しを必要としていましたが、シーズン中に実行することは不可能でした」 苦戦をする一方で、ホンダはマクラーレンから要請があったときもライバルチームから経験あるエンジニアをリクルートすることを拒否してきた。 「我々はマクラーレンと見解が一致するまで徹底的に問題を話し合いました。話し合いは和やかでも対立的でもありませんでした」と新井康久はコメント。「昨年の夏頃、彼らは我々に十分なリソースがあるかを尋ね、なぜ我々が自分たちだけでやろうとしているのかを知りたがりました。また、彼らは外部の人材を使うよう要請しました。それはヨーロッパの職の流動性を考えれば、彼らにとっては当然のことです」 「しかし、我々はそれはホンダの理念は違うと説明しました。人材を育てることが重要なのです。たった3カ月や半年しかとどまらない外部のエンジニアを使うことは受け入れられません」 新井康久は、2015年の問題が繰り返されることはないとの自信を見せた。 「我々は全員の期待に応えるために一刻も早く表彰台にたどり着きたいと熱望しています。2015年に解決できなかった技術的な問題を解決し、自信を持って開幕戦に向かうつもりです」
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