数名のF1ドライバーは、2月18日(月)にスタートするぴF1プレシーズンテストでFIA(国際自動車連盟)の安全基準に認定されていないヘルメットで参加しなければならない可能性がある。2019年のF1世界選手権では、新しいヘルメット規格「FIA 8860-2018」が義務化される。承認にはドライバーの頭部保護をさらに改善するために広範囲な衝突安全テストが実施される。
現在、F1ドライバーにヘルメットを供給するヘルメットサプライヤー4社(ベル、スティロ、シューベルト、アライ)は「FIA 8860-2018」の研究開発に携わってきた。しかし、アライだけは、FIAのパフォーマンステストの一部に合格しただけで、まだ承認されていない。今シーズン、アライはセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)、マックス・フェルスタッペンとピエール・ガスリー(レッドブル・レーシング)、そして、ダニエル・リカルド(ルノー)にヘルメットを供給する予定となっている。アライは、3月17日にオーストラリアで開催される開幕戦までに新モデルが認定されることを期待している。だが、他社のヘルメットを使用するドライバーも、F1プレシーズンテストまでに公認の2019年ヘルメットが間に合わないかもしれない。FIAの最も最近のヘルメット承認リストによると、現時点ですべてのサイズのヘルメットが公認されているのはスティロのみ。同社は昨年夏にレース対応バージョンのヘルメット『ST5』を製造している。4名に供給するシューベルトは、ミディアムサイズの『SF3』しか承認されていない。最多となる10名にヘルメットを供給するベルは、54から56+までのサイズが承認されている。同社の『HP77』は61サイズまで展開している。このため、承認リストにないヘルメットを使用したいドライバーには影響が出てくる可能性がある。しかし、F1プレシーズンテストにおけるヘルメットの要件はある種グレーゾーンとなっている。F1チームとドライバーは、FIAのF1競技規則のテスト条項を満たしているだけでよく、ヘルメットの要件についての記載はない。月曜日から開始するプレシーズンテストで、承認されていないメーカーのヘルメットを使用してきたドライバーたちが昨年仕様のヘルメットをかぶるか、もしくは他社の公認されたヘルメットを使用するのか、あるいは公認されていない2019年仕様のヘルメットを使用するかは不明となっている。2019年の製品が公認されていない場合、プレシーズンテストでは2018年の製品を使用することが適しているかと質問されたアライヘルメットの担当者は「新しいモデルのプロトタイプが提供されています」とコメント。「まだ正式に承認はされていませんが、社内のテストでは製品の品質が保証されています」FIAによって正式に承認されていない製品を使用した場合に伴うリスクのひとつは、事故が発生した場合のドライバーの怪我だ。2019年の新仕様ではデブリが衝突した際の安全性を高めるためにいバイザーの開口部が10mm狭くなり、粉砕と貫通に対する耐性を向上させたよりエネルギー吸収が優れたシェル構造が採用される。メーカー承認状況使用ドライバー(2018年)スティロ全サイズバルテリ・ボッタス、ランス・ストロールベル54、55、56、56+ルイス・ハミルトン、キミ・ライコネン、シャルル・ルクレール、ケビン・マグヌッセン、ロマン・グロージャン、アレクサンダー・アルボン、ジョージラッセル、ランド・ノリス、アントニオ・ジョビナッツィ、ロバート・クビサシューベルトミディアムサイズニコ・ヒュルケンベルグ、カルロス・サインツ、セルジオ・ペレス、ダニール・クビアトアライなしセバスチャン・ベッテル、マックス・フェルスタッペン、ピエール・ガスリー、ダニエル・リカルド
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