ルイス・ハミルトンは、予選での苦難を乗り越えてF1ベルギーGP決勝で7位に入り、「こういう展開のレースはいつも好きなんだ」と語った。フェラーリ移籍後初となるポディウムには届かなかったものの、18番手スタートからの猛チャージで「ファンが選ぶドライバー・オブ・ザ・デイ」に選ばれる走りを見せた。ハミルトンは週末を通して苦戦が続き、スプリント予選とグランプリ予選ともにQ1敗退。土曜のスプリントでは15位に沈み、決勝もピットレーンスタートからの巻き返しを強いられた。
しかし、フェラーリが決勝前に新たなパワーユニットを投入し、セッティング変更を施したことで状況は一変。大雨による80分の中断を経てスタートが切られると、ハミルトンはレース序盤のウェットコンディションで驚異的な追い上げを見せ、ランス・ストロール、カルロス・サインツ、フランコ・コラピント、ニコ・ヒュルケンベルグ、ピエール・ガスリーを立て続けにオーバーテイク。さらに11周目に最も早くスリックタイヤに履き替えたことでアンダーカットに成功し、結果的に7位に浮上した。その後はウィリアムズのアレックス・アルボンの背後に張り付きながらも抜けない展開が続いたが、苦戦続きだった週末をなんとかポイントで締めくくった。「こういうふうに後方から順位を上げていく展開のレースは大好きなんだ」とハミルトンは語る。「僕のレースキャリアもそういうところから始まった。決して速くないカートで後ろからスタートして、そこから上がっていく。今日はそれを思い出したよ」「週末全体としてはいい内容ではなかったし、正直言って忘れたい週末ではあるけど、最終的にポイントは獲れたし、メルセデスよりも多く稼げたのはチームとして良かったと思う」フェラーリ無線での謝意と決意レース後、ハミルトンはフェラーリの無線で次のように語った。「この週末は本当に申し訳ない。とはいえ、いくつかポイントは獲れた」「もっと頑張って、強くなって戻ってくるよ。ストラテジーもピットストップも素晴らしかった」また、スカイスポーツのインタビューでも次のように語っている。「金曜と土曜は自分のせいも含めていろんな要素が重なって、すごく難しかった。今日は少し取り戻せたかな」「今回の変更でマシンの理解もかなり深まったし、今はすごくマシンと一体になれている感じがする」18番手スタートから7位入賞、観客を沸かせたハミルトンの追い上げ劇ニコ・ロズベルグも絶賛「自分で判断して6つ順位を上げた」ハミルトンの元チームメイトでありライバルだったニコ・ロズベルグも、スカイスポーツでそのパフォーマンスを称賛した。「13位から7位まで上がったんだから素晴らしいよ。しかも自分でスリックに替えるタイミングを決めて実行したんだ。見事だったね」「フェラーリとしても、メルセデスが苦戦してくれたのはコンストラクターズ選手権にとって大きな助けになるはずだ」「ただ、それでもマクラーレンからは20秒も離されていた。その差は依然として大きい」ルクレールは表彰台に満足「でもまだ足りない」一方、同じくアップグレードを受けたフェラーリのシャルル・ルクレールは、スプリントで4位、決勝で3位に入り、6戦中4回目の表彰台を獲得。「この結果は予想していなかったよ。特にスプリント予選でトップ3とあれだけ差があったからね」と振り返る。「昨日の予選はいいラップが出せた。ダウンフォースを削るというギャンブルもあったし、雨の中の序盤はすごく難しかった。マックスは明らかに速かったけど、抜かせないように全力で抑えた」「スリックに替えてからは自分に向いた展開になった。自分の仕事をすればP3は取れると思っていたし、実際に取れてすごく嬉しいよ」また、チームの進歩についてはこう語った。「チームの皆がアップグレードのために大変な努力をしてくれている。その成果が表れたと思う。でも、まだ十分じゃない。マクラーレンとの差は大きいし、もっと近づくためにプッシュし続けないといけない。そこはチーム全員が理解している」
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