2026年F1シーズンに向けたマシン開発が本格化する中、ハースF1チームの技術責任者アンドレア・デ・ゾルドが、新レギュレーション下で直面する開発の現実と、勝敗を分ける技術的要素について語った。VF-26の開発は2024年後半から始動しており、2025年型マシンとの並行開発という難しい局面を経て、現在は完全に2026年プログラムへと移行している。
デ・ゾルドは、外観上の変化以上に重要なのはパワーユニットにおけるエネルギー配分の変化だと指摘する。内燃エンジンと電動系の役割が大きく再定義される2026年F1では、空力開発に先立ち、まずPUの挙動とエネルギーマネジメントを正確に理解できるかどうかが、シーズン序盤の競争力を左右する最初の分岐点になるという。VF-26の作業はかなり前から始まっているが、2つのマシンプログラムを同時にどのように管理し、チームをどのように分けているのか?「実際には2024年後半から始まっていて、新車のコンセプトを検討する小さなグループが立ち上がった。その体制はVF-25のローンチまで続いていた。そこから2026年プログラムに向けてリソースの配分を徐々に増やしていき、昨シーズンのサマーブレイク後に完全に切り替えた。チャンピオンシップ争いが非常にタイトだったため、かなり遅い段階までVF-25に取り組んでいた小さなグループも残っており、それを管理するのは難しかった。2025年と2026年の両方において、どこを主なフォーカスポイントにするかを判断しつつ、我々が“大きなシーズン”になると分かっていた年に、あまりにも多くの時間を失わないようにすることが重要だった。2026年に向けて、マシンにはどのような大きな変更が加えられるのか?「最も目に見える変化としては、フロントウイングとリアウイングの形状が異なること、フロア前方のサイド部分にこれまで存在しなかったボードが追加されること、そしてマシン全体がやや小型化されることだと思う。さらに、サーキット上では、フロントとリアの両ウイングが可動するようになることがファンにも分かるはずだ。ただし、これまでのようにDRSストレートだけで開閉するのではなく、ドライバーが任意のタイミングで作動させる点が異なる。私の考えでは、最大の変化は目に見えない部分で、それはパワーユニットにおけるエネルギー配分、つまり内燃エンジンと電気系の比率が変わることだ。これは非常に大きな変化であり、レースのやり方そのものに影響を与えるものになる。バルセロナでの最初の合同走行までに至る、主要なマイルストーンを教えてほしい。「このプロセスはまさにマラソンで、終わりに近づいていると思った瞬間に、実際にはそこが始まりに過ぎないのだと感じるはずだ。最初のマイルストーンは、ダミーシャシーのテストと、正式なシャシーのホモロゲーションだった。何か修正が必要になれば、それは膨大な追加作業を意味するため、迅速に進める必要があり、当然ながら懸念もあった。幸いにも問題はなく、それが私にとって最初のマイルストーンだ。次に大きな節目となったのは、フロントウイングのホモロゲーション、その機構の定義、そして我々の考えが正しいことを証明するためのラボテストだった。初めてシミュレーターに入り、来年のラップタイムがどこから生まれるのかを考えたとき、それがこれまでとはかなり異なるものになると分かった。それは、自分たちがやっていることを初めて評価し、どの方向に進むべきかを確認する機会だった。そして最後が、ファイアアップだ。非常に大きな課題がある中で、デザインオフィスとして特に強調したい成果はどこにあるか?「たくさんあるが、ここでは2026年にフォーカスし、振り返ることはしない。私が特に感銘を受けているのは、このグループの仕事に対する姿勢と決意だ。彼らは非常にハードに、非常に長い時間働いており、しばしば夜中まで作業している。しかし、それは私が命じているからではなく、彼ら自身がそうしたいと思っているからだ。全員が深く関与しており、それは成熟度とチームスピリットの大きな表れだと思う。だからこそ、皆がこの成果を誇りに思ってくれていることを願っているし、そうあるべきだと思っている。シーズンに向けた初期の見通しや予測はあるか?「我々の目標は、ただレースを完走することではない。我々は参加するためにここにいるのではなく、挑戦するためにここにいる。可能な限り最高のマシンを作り、できるだけ競争力を高めたいという思いから、これだけ多くの作業を積み重ねてきた。開幕戦からすでに開発を進めていくつもりだ。未知の要素があまりにも多く、誰がどこにいるかを予想することはできない。非常に予測不可能だが、今後1か月の間に多くのことが見えてくるはずだ。各チームがレギュレーションを解釈している最中で、シーズンを通してこれらのマシンはどのように進化していくと思うか? どこで最も大きなゲインが生まれると考えるか?「良い質問だ。初レース前の段階では予測するのは難しいし、誰かが新しいアイデアを持ち込んでいるかどうかを見るのは常に興味深い。今年はその点が特に重要で、文字どおりすべてが新しい。パワーユニットも含めてだ。空力面とパワーユニットの両方で、最初は多くの作業が必要になるだろうし、どちらにおいても急速な進化が起こると予想している。それが具体的にどのような形になるかは、今は言えない。新レギュレーションの下では、空力開発とパワーユニット/バッテリーなどの技術的要素のどちらに、より重点が置かれると思うか?「間違いなく、新レギュレーションは空力とエネルギーマネジメントのバランスを変えることになる。最初の段階では、パワーユニットはすべてが新しいため、必ずしも“より多くを得られる”というよりも、うまくやらなければ“多くを失う”リスクが大きい。どのように機能するのかを理解し、それを最大限に活用することが、おそらく最も重要な部分になる。その後、ドライバー、チーム、そしてパワーユニットサプライヤーが、この新しいレースのやり方について理解を深めていくにつれて、エネルギー面でのパフォーマンスは徐々に競合間で収束していくだろう。そうなれば、主な差別化要因は再び空力に戻るはずだ。ただし、少なくとも初期段階では、このエネルギー面のマネジメントが今年は極めて重要になると思う。