メルセデスのジョージ・ラッセルは、週末を通してマシンに馴染めない中での3位表彰台に、自らも「驚いた」と語った。バーチャル・セーフティカー(VSC)を活用した巧みな戦略と終盤の力走によって、今季4度目のグランプリ表彰台を獲得してみせた。F1第6戦マイアミGPは、マクラーレンの圧倒的な1-2フィニッシュに沸いた一方で、メルセデスのジョージ・ラッセルは、決して順風満帆とは言えなかった週末を3位表彰台というかたちで締めくくった。
苦戦を強いられたフリー走行と予選、そして決勝での巧みな戦略と安定したドライビング。トップ勢と比べて厳しいパッケージの中で結果を残し、存在感を示す一戦となった。「マイアミで3位を獲得して帰ることができて、本当にうれしい。今週末はいつも以上に苦戦していて、これまでのレースに比べてマシンの中での感触が良くなかった。序盤から後手に回ってしまったが、大事な場面ではしっかりとパフォーマンスを出すことができたし、強い結果を持ち帰ることができた」ラッセルは金曜のフリー走行1回目(FP1)以降、自身のペースに納得がいかず、スプリント予選と決勝の両方で5番手に留まった。注目が若きチームメイト、キミ・アントネッリのスプリント初ポール獲得や、Q3でのフェルスタッペンに迫る僅差のラップタイムに集まる中、ラッセルは陰で課題と格闘し続けていた。「正直、今日は戦略で勝負するつもりだった」とラッセルは語る。「トップ5のドライバーでハードタイヤスタートは珍しいが、VSCに救われた面もある。リスクはあったけど、それがF1というものだ」苦戦の週末から3位表彰台に「結果がすべてだ」とラッセルレースでは、フェルスタッペンやアントネッリがピットインしたタイミングで自らのペースを引き上げ、コンマ3~4秒のラップタイム改善を記録。これにより、ピット作業を経てフェルスタッペンの前でコースに復帰することに成功した。以降は3位の座を守るために全神経を集中させた。「ピット後はフェルスタッペンがすぐ後ろにいたけれど、自分はミディアムタイヤで良いフィーリングを得られていたし、彼を抑えられるだけのペースマネジメントができるという確信があった」とラッセルは明かしている。終盤には、ラッセルの背後にフェルスタッペンのみならず、勢いを見せたウィリアムズのアレックス・アルボン、さらにはチームメイトのアントネッリも迫る展開となったが、冷静な走りでポジションを死守。トップのマクラーレン勢には届かなかったものの、今季を通じて安定感を示してきたラッセルらしいレース運びだった。「マクラーレンは他チームに対して明確なアドバンテージを持っていた。彼らにおめでとうと言いたい。差を埋めるのは簡単ではないが、我々も引き続き努力を続けていく。次戦のイモラを皮切りに始まるヨーロッパ3連戦が楽しみだ」ラッセルはレース後、改めて今週末の苦戦を認めた上で、それでも表彰台という形で結果を残せたことを誇らしく思っていると語った。「今週末はずっと後手に回っていたけど、3位という結果を持ち帰れることに満足している。マクラーレンは本当にいい仕事をしている。同じイギリスのチームだし、彼らの活躍は刺激になるよ」
全文を読む