フォーミュラEは、2022年に導入するGen3マシンのティザー画像を公開。デルタウイングにインスパイアされたデザインのレースカーは、200mpを実現する。バレンシアでの2022年のプレシーズンテストの初日、フォーミュラEは、Gen3マシンの設計と仕様を公開。「空力効率の高い戦闘機のデルタウイング」にインスパイアされた外観をプレビューした。
Gen3マシンは、Xウイングを特徴としたSpark RacingTechnologyで製造されたGen2マシンと同様に、シングルシーターの中で個性を放つものになりそうだ。また、Gen3マシンは、2012年にル・マン24時間レースに参戦し、後に日産がサポートしたデルタウイングのレースカーの先駆的なデザインと同様にリアが広くなることを示している。一方、フロントはウィングに流れ込む頑丈なホイールカバーは廃止。Gen2マシンは、このホイールカバーによって接触に耐えることができ、よりアグレッシブなレースを可能にしていた。Gen2で人気だった大規模なディフューザーは残り、大きなテールランプが追加されている。FIA(国際自動車連盟)とフォーミュラEは、いくつかの重要な技術的側面に取り組んでおり、Gen3マシンは「世界で最も効率的なレーシングカー」になるとしている。ドライバーは、レースを完了するために回生ブレーキを介して“少なくとも”40%のエネルギーを回収する。これは、Gen2の現在の30〜35%の範囲から増加している。これは、2軸セットアップ(フロント250kW、リア350kW)によって可能になり、総回生ブレーキ容量は600kW、総出力は350kW(470bhp)となる。回生ブレーキの搭載により、リアアクスルに油圧式リアブレーキがないことを意味する。Gen3マシンは、理論上の最高速度が200mphに設定されているが、これは、フォーミュラEで通常使用されるストリートサーキットでは実現しない可能性がある。FIAとフォーミュラEは、特定の数値を確約していないが、当初の計画では、マシンの寸法を小さくすることでGen3は120kgを図られ、Gen3のパワートレインは「同等の470bhp内燃エンジンの2倍の効率のパワーウェイトレシオ」を目指している。Gen3コンセプトは、使用済のタイヤ、バッテリーセル、破損したコンポーネントの持続可能な処理を保証する「ライフサイクル思考」に基づいている。ハンコックが供給するタイヤは、持続可能な材料の26%の使用して製造され、90%のモーターからエネルギーへの効率が含まれる。FIA会長のジャン・トッドは「新しいGen3フォーミュラEシングルシーターは、高性能、効率、持続可能性が交差するポイントで生み出されたマシンだ」とコメント。「8シーズン前の開始以来、FIAのチームがフォーミュラEと一緒に成し遂げた仕事は、革新を推進し、持続可能なモビリティの開発を促進することを絶え間なく追求している」「この新しいシングルシーターがフォーミュラEを次のレベルに引き上げることは間違いない」Sparkによる密室テストがGen3マシンで進行中であり、春にはマシンの納車を開始される予定となっている。フォーミュラEのCEOを務めるジェイミー・ライグルは「Gen3車の設計では、高性能、効率、持続可能性が妥協することなく共存できることを実証することを目指した」とコメント。「FIAと協力して、世界で最も効率的で持続可能な高性能レースカーを製造した。Gen3は、これまでで最速、最軽量、最も強力で効率的なレーシングカーだ」「ホイール・トゥ・ホイールの戦闘をストリートで展開するという、その生息地のために設計された生き物だ」