リッチエナジーは、まだフォース・インディアを買収する可能性はあると主張する。英国のエネジードリンク企業であるリッチエナジーは、今年序盤から何度もフォース・インディアに買収提案をしてきたが、そのたびに拒絶されてきた。先週の金曜日にはフォース・インディアの破産手続きを阻止するために3000万ポンド(約43億円5000万円)のスポンサー契約を提案。
しかし、1500万ポンドずつの分割払いであるこの提案は、裁判官からチームの負債の大きさを考慮すれば不十分であると判断され、フォース・インディアを管理下に入れた方がいいとの判断に繋がった。裁判の結果は、チームの上級職員や債権者であるエンジンサプライヤーのメルセデス、スポンサーのBWTからも支持されている。メルセデスとBMWは、同じく債権者であるフォース・インディアのドライバー、セルジオ・ペレスの訴訟手続きを推進している。彼らはフォース・インディアを管財人の管理下に入れることが、適切な買い手を見つけるための唯一の手段だと考えている。しかし、リッチエナジーの最高責任者であるウィリアムズ・ストーリーは、その動きを“策謀政治”だと批判。リッチエナジーは、英国のフットボールクラブのウェストハム・ユナイテッドFCの共同オーナーであるデイビッド・サリバン、デイビッド・ゴールドを含む“4人の億万長者”に支援されたコンソーシアムが、5月にチーム買収の契約を結んだが、チーム側の弁護士から阻止されたと述べた。また、フォース・インディアが管理に入ったことに対しては圧倒的な支持が寄せられているが、ウィリアムズ・ストーリーは、それは“完全に回避できたことであり、悲劇的な結果”だと主要した。ウィリアムズ・ストーリーは“我々のプランが何かを具体的に概説するつもりはない”としつつも、リッチエナジーは“遅かれ早かれF1に参入する”と述べた。「我々はそれをするための資金、ビジネスモデルを得ており、我々にはそれをするための理由がある」とウィリアムズ・ストーリーはコメント。「フォース・インディアに6カ月間取り組んでおり、それを一晩で放棄するつもりはない」ウィリアムズ・ストーリーは、リッチエナジーには“チームを買収する以上の能力と確実にそれをするための準備が整っている”と主張しているが、フォース・インディアの買収には、他にも複数の候補者がいる関心をもっていると考えられている。現在、チームはフォース・インディアの管財人であるFPRアドバイザリーがチームオーナーのビジェイ・マリヤに代わってチームの売却を管理している。フォース・インディアの買収候補には、ランス・ストロールの父親でカナダの大富豪であるローレンス・ストロール、フォース・インディアの開発ドライバーでGP3レーサーのニキータ・マゼピンの父ドミトリー・マゼピン、アンドレッティ・オートスポーツのオーナーであるマイケル・アンドレッティとドライバーのアレクサンダー・ロッシの父親ピーター・ロッシが関与するコンソーシアム、タボ・ヘルムンド率いるアメリカを拠点とした投資会社などが挙げられている。リッチエナジーは、管財人、メルセデスを含めた債権者に、それらの十分に確立された競合他社よりも信頼できる企業であることを納得される必要がある。リッチエナジーはわずか数年の企業ではあり、財務数値は控えめなものだが、ウィリアムズ・ストーリーはその背景には大きな流動性があり、真剣に受け止められるべきだと主張する。「F1には我々の資金を目にした多くの人々がいる」とウィリアムズ・ストーリーは語った。