フォース・インディアのスムーズなチーム売却と救済を3つのF1チームが妨害してると報じられている。先週、フォース・インディアは、メルセデス、セルジオ・ペレス、スポンサーのBWTが債権回収のために訴訟を起こしたことで、管財人の管理下に入り、破産手続きを進めていくことになった。
2年連続でコンストラクターズ選手権で4位となったフォース・インディアには多くの候補者の名前が挙げられている。しかし、そこに新たな問題が発生した。新しいオーナーが賞金を含めたフォース・インディアの全ての権利を取得するには全チームの合意が必要になる。現在のレギュレーションでは、F1に新しいオーナーとチーム名で参戦し、新しいエントリーとみなされるチームは、賞金に関してゼロからスタートすることになる。現在フォース・インディアは1億5000万ドルの収入を得られると見積もられているが、その権利を引き継ぐことはできず、最初の数年間は賞金の資格が得られない。先週、F1のCEOであるチェイス・キャリーは、現在フォース・インディアが陥っている状況は“不可抗力”であり、F1チームにフォース・インディアの新オーナーが賞金とテレビ収益を引き継ぐことに同意するよう求めた。だが、Auto Motor und Sport によると、マクラーレン、ウィリアムズ、ルノーの3チームが、フォース・インディアの新オーナーがすべての賞金と権利を得ることに反対したと報じた。しかし、F1のオーナーであるリバティメディアは、チームの存続を援助していくと誓う。「過去数年間、チームはリソースが限られているなかで何ができるかという素晴らしい例となっていた。予算の規模よりも、何をするか、何をどのようにするかということがはるかに重要だということを示してきた」とF1のスポーティングディレクターを務めるロス・ブラウンはコメント。「F1はこのチームが確実に生き残ることができるように全ての権限を最大限に行使していくつもり。今後数日もしくは数週間のうちにチームの将来が確定することを心から願っている」フォース・インディアの買収先としては、リッチエナジー、アンドレッティ・オートスポーツのオーナーであるマイケル・アンドレッティ、フォース・インディアの開発ドライバーであるニキータ・マゼピンの父ドミトリー・マゼピン、タボ・ヘルムンド率いるアメリカを拠点とした投資会社、ランス・ストロールの父親であるローレンス・ストロール、BWTといった複数の候補者の名前が挙げられている。メルセデスのモータースポーツ責任者を務めるトト・ヴォルフは、フォース・インディアの状況がどうなるか注意深く見ていくと語っている。「誰が関心を示すか見てみよう」とトト・ヴォルフはハンガリーでコメント。トト・ヴォルフは、フォース・インディアは現在メルセデスのパワーユニットを使用しているので、状況を注意深く見ていくと語る。メルセデスは、パワーユニット供給のために1050万ユーロ(約13億6000万)を負担しているとされている。「潜在的なバイヤーについて、そして、我々の協力がどのような影響を受けるかもっと知りたいと思っている」とトト・ヴォルフはコメント。トト・ヴォルフは、フォース・インディアが現在の嵐を乗り切ることを願っていると述べた。「まず何よりも、我々はチームをずっと支援し、資金を調達してきたビジェイ・マリヤに敬意を表している。彼は困難を抱えてチームに影響を与えた」とトト・ヴォルフはコメント。「現在、チームに大きな関心を示している多くの潜在的なバイヤーがいる。彼らは手段を持っており、結果を出すためにはどれくらいの金額が必要かを理解している。今後、我々は何が起こるを見ていくつもりだ」