フォース・インディアは、F1マレーシアGPでリタイアの原因となった新しいホイールナット・システムを継続して使用していくと述べた。フォース・インディアは、ピットストップのトラブルでエイドリアン・スーティルとポール・ディ・レスタの両マシンをリタイヤさせたが、その原因を「キャプティブ・ホイールナットの故障」と説明した。
キャプティブ(閉じ込められた)・ホイールナット・システムは、ナットが外された際、ホイールガンに移らずホイールリムに留まる構造となっている。フォース・インディアは、このコンセプトがピットストップの時間を短縮すると考えており、F1中国GPまでにデザインを改良していくと述べた。フォース・インディアの副チーム代表ボブ・ファーンリーは「古いバージョンに戻すことはない」とコメント。「エンジニアリング部門がすでにファクトリーで検討しているので、中国では問題にならないだろう」「元には戻せない。問題を修正して開発を続ける必要がある。今では、どのチームのピットストップも4秒をかなり下回っている。しかし、伝統的な方法に戻せば、4秒以上かかってしまう」フォース・インディアのキャプティブ・ホイールナット・システムは今年導入されたものだが、問題が生じたのは今回が初めて。マレーシアでもピットストップ練習が行われたが、問題が発生したのはレースになってからだった。キャプティブ・ホイールナット・システムは、ホイールナットと筒部が一体となって車軸に着脱できるよう設計されているが、これらが離れてしまった。「筒部に問題があった。おそらくこれまでにない高温のせいだろう」とボブ・ファーンリーは述べた。「テストとオーストラリアで走らせていたが、許容度の問題だ」「(通常)ホイールと内挿部は一緒に外れるが、内挿部を保持している車軸が膨張したので、ホイールが離れてしまった。そのため、ホイールを外したときに古い内挿部が残ってしまい、新しいホイールをとりつけられない。安全のためにリタイアした」