2026年F1シーズンのカレンダーに大きな変動が生じたことで、FIAがパワーユニット開発に関する重要な評価スケジュールの見直しを検討している。バーレーンGPとサウジアラビアGPが中東情勢の影響で開催見送りとなり、エンジン開発の進行に直接的な影響が及んでいるためだ。これにより、メルセデスが築く優位性を他メーカーがどのタイミングで是正できるかという構図にも変化が生じる可能性がある。特にフェラーリやアウディといったライバル勢にとっては、開発機会の前倒しが焦点となっている。
ADUO制度の評価タイミングにズレFIAは、ADUO(追加開発・アップグレード機会)制度の運用スケジュールについて調整を検討していると報じられている。現行レギュレーションでは、シーズンを通じて4つの観測期間が設けられ、6戦ごとに内燃エンジンの性能評価が実施される。この評価は複数の指標をもとにしたパフォーマンスインデックスで判断される仕組みだ。当初、この最初の重要な評価はマイアミGP(第6戦)で行われる予定だった。しかしバーレーンとサウジアラビアの2戦が消滅したことで、マイアミは第4戦へと繰り上がり、評価タイミングはモナコGP(6月)まで後ろ倒しとなる見込みだ。この遅延は、開発の遅れているメーカーにとって大きな不利となり得る。メルセデス優位とライバルの焦りADUO制度は、トップからの性能差に応じて開発支援が段階的に付与される仕組みとなっている。トップから2%以上遅れているメーカーには追加の開発機会が与えられ、4%以上の差があればさらに優遇措置が拡大する。対象は84のコンポーネントに及び、通常は年間1回のアップデートに制限されるが、該当メーカーにはアップグレード回数やダイノ使用時間、予算制限の緩和が認められる。このため、現時点で基準となるパワーユニットを持つメルセデスに対し、フェラーリやアウディなどのライバル勢は評価タイミングの前倒しを強く望んでいる。エンジン開発はシャシー開発よりもサイクルが長く、ホモロゲーションの制約も厳しいため、ADUOの適用が遅れるほど差を詰める機会は限られてしまう。FIAはスケジュール修正を提案かこうした状況を受け、FIAはカレンダー変更に合わせた評価期限の見直しを提案する可能性が高いとされている。この案が実現すれば、開発が遅れているメーカーにとっては追い上げのチャンスが早まることになる。一方で、現在優位に立つメルセデスのみが反対に回る可能性があるものの、全体の合意形成は比較的容易と見られている。なお、今回のレース中止によってもチームの予算上限に変更はなく、現行規定では「24戦以下」であれば2億1500万ドルの上限は据え置かれる。カレンダーが24戦を超えた場合にのみ増額が適用される仕組みだ。
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