F1南アフリカGPの復活に向けて、大きな前進があった。1967年から1985年、そして新レイアウトで1992年と1993年に開催されたキャラミ・グランプリ・サーキットが、FIAからグレード1の認可を取得。これにより、F1開催に必要な最高ランクの基準を満たすこととなり、F1カレンダー復帰の可能性が一気に高まった。この朗報に、サーキットのオーナーであるトビー・ヴェンターは喜びを語っている。
「これは南アフリカ・モータースポーツにとって歴史的な瞬間だ」とヴェンターは述べた。「2014年にキャラミを取得したとき、我々は世界トップクラスの施設として復元するだけでなく、アフリカ大陸全体のモータースポーツの象徴にするという使命を掲げた。今回のFIAによるグレード1設計の承認は、その旅路における大きな前進だ」グレード1取得はF1開催に必要な条件であり、今後3年間の猶予期間で残された改修工事を完了する必要がある。その内容は主にバリアフェンスや縁石、排水、ランオフエリアといった安全面の調整で、設計を担当するApex Circuit Designの創設者クライブ・ボウエンは「工学的には軽微なアップグレードだが、既存の高水準な設備を現代のF1基準に引き上げるものだ」と説明している。南アフリカ開催は依然不透明 ケープタウン案と競合グレード1の認可によってキャラミがF1を開催する資格を得たのは事実だが、実際にF1カレンダーに南アフリカが追加されるかどうか、そして開催地としてキャラミが選ばれるかはまだ確定していない。発表文でも「南アフリカがF1カレンダーに採用され、キャラミが開催地に選定された場合に限り、選定された改修工事が実施される」と記されており、F1運営側の最終決定を待つ必要がある。すでに南アフリカ政府のスポーツ・芸術・文化省(DSAC)では、F1招致に向けた入札委員会が設立され、国内外のプロモーターを募る文書も公開されているが、キャラミの最大のライバルとして名前が挙がっているのがケープタウンの市街地コースだ。こちらはフォーミュラEで使用されたレイアウトの一部を活用する案が検討されている。南アフリカでF1が最後に開催されたのは1993年。31年ぶりの復活を目指すキャラミにとって、今回のグレード1取得は大きな一歩となるが、最終的な開催地決定にはまだいくつもの障壁が残されている。
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