2010年シーズンからシーズン途中からF1に参戦するドライバーは、事前にF1マシンをテストすることができるようになる。2009年からシーズン中のテストが禁止されたが、シーズン中に多くのドライバー交代が実施され、F1を久しぶりに走らせるドライバーや新人ドライバーのF1マシンでテスト不足が問題視されていた。今年、シーズン途中からF1に参戦したドライバーは、ハイメ・アルグエルスアリ、ルカ・バドエル、ロマン・グロージャン、ヴィタントニオ・リウッツィ、小林可夢偉の5名。
その中でセバスチャン・ブルデーに代わってトロ・ロッソでF1最年少デビューしたハイメ・アルグエルスアリは、F1マシンをドライブした経験がほとんどなく、ハンガリーGPのフリー走行が実質的なF1マシン初走行となった。また、フェリペ・マッサの代役として参戦したルカ・バドエルは、長年フェラーリのテストドライバーを務めていたにも関わず実際のレース参戦は10年ぶりであったため、パフォーマンスを発揮することはできなかった。FIAは、新人ドライバーへの安全面やF1マシンへの慣れを考慮し、2010年シーズンを前にルール変更を実施。新たな規約では、代役ドライバーは代役レース前後に14日間のテストを行うことが可能となる。テストは過去2シーズンにF1レースに出走したことのないドライバーに限られ、使用するサーキットはチャンピオンシップで使用されないサーキットに限定される。ドライバーの交代を宣言し、代役ドライバーがテストを行ったにも関わらず、結果的に代役ドライバーがレースに出走しなかったチームには、プレシーズンのテストを1日削減するというペナルティが科せられる。