ピレリは、新予選ルールの撤廃を支持する前にF1チームの議論を理解したいと述べている。新予選ルールが初導入されたF1オーストラリアGPの予選Q3では、セッション終了数分前にコース上にクルマがまったく走らないというシラケた結末を迎えたことで議論の的となり、F1チームは日曜日の朝に緊急ミーディングを開いて、F1バーレーンGPでは以前の予選フォーマットに戻すことで合意した。
しかし、予選フォーマットを戻すには、ストラテジーグループとF1委員会で承認を受ける必要がある。それにはトラックプロモーターやピレリのような他の利害関係差からの支持が必要となる。ピレリのモータースポーツダイレクターを務めるポール・ヘンベリーは、分刻みでノックアウトとなる新予選ルールが完全に失敗あったという見方に同意していないことを明らかにし、Q3を調整した方が優れた解決策だとの考えを示した。予選問題について意見を求められたポール・ヘンベリーは「我々は議論の全てを聞いたわけではない」とコメント。「予選にはポジティブな点とネガティブな点があった」「私はQ3を改善する必要があると思っている。クルマが走らなかったことは、ファンや視聴者から満場一致でネガティブなことだとみなされた。だが、それは脱落プロセスのない去年のQ3走行に戻すことによって、簡単に解決するかもしれない」一般的にQ3の光景に批判が集まっているが、ポール・ヘンベリーは、序盤のセッションにはポジティブな要素があったと指摘。メルセデスのようなチームにもよりアウグレッシブなタイヤ選択をさせたとし、要因として新予選ルールがソフトタイヤだけではQ3に進出することを不可能にさせたと述べた。「予選から出てきた1つのことは、それがレースに影響を及ぼしたということだと思う。それはF1委員会のメンバーである我々が説明された最初の動機だった」「トップチームが、レースをソフトタイヤでスタートすること許す、ソフトタイヤで予選Q2にトライすことを止めた」「脱落がなければ、おそらく彼らはソフトタイヤで出て行き、タイムを記録し、通過するのに十分かどうかを評価しただろう」「我々は1度の会議で、変更がレース戦略に追加の要素を加えるために必要だとの議論をした。そして、それは多くのレベルでそれを届けた。それがもはや必要ではないと言うのなら、我々は議論を聞く必要がある」ピレリだけが、新予選ルールの即時撤廃に懐疑的なわけではにない。フォース・インディアとウィリアムズも日曜日の会議でシステムにはもう少し評価のための時間を与えるべきだとの考えを示している。フォース・インディアの副チーム代表ボブ・ファーンリーは、それがレースにいかに役立ったかに目を向けることなく、新予選ルールの廃止に同意するのは馬鹿げていると述べた。「レースをする前なのに、それがレースの最終結果のどこに影響したかを決定できるか? どのように廃止するという決定に至るのか? それが日曜日の私の意見だったし、今もまだそう感じている」とボブ・ファーンリーはコメント。「このようなことをやり直す時には無条件反射的な反応をするべきではない。プロセスを踏むべきであり、立ち返って、何が良かったのかを見極めるべきだ。我々はそれを使えるのか? いくつかのエリアを調整する必要があるのか? 本当に間違っていたのは何か? それらの全てに対処するべきだ。大事なものを無用なものといっしょに捨ててはいけない」フォース・インディアは、旧システムに戻すという変更に反対の声を挙げるのかと質問されたボブ・ファーンリーは「我々は、それがファンのため、F1のために良いことであれば、決して邪魔はしない」とコメント。「だが、我々全員が、予選ではプレッシャーのなかで働いている。きとんと評価されずにその全てを捨てるのはそれに泥を塗るようなものだ」ウィリアムズは、チームとしては旧方式への回帰に投票しているが、テクニカルディレクターを務めるパット・シモンズは、決定を下す前にもっと時間を取るべきだと意見する。「日曜日に決断する必要は全くなかった。しかし、提案をしなければならなかったので、チームとしてはQ1、Q2を新方式のままにし、Q3を旧方式にするという案を出した。さらなる変更にはオープンな姿勢であるべきだが、慌てる必要はないということを精一杯主張した。しかし、過半数は旧フォーマットへ戻すことに投票した」パット・シモンズは、新予選ルールがQ1とQ2では望み通りの効果を発揮したと考えている。「(ダニール)クビアトはミスを犯し、バルテリ(ボッタス)は獲得すべきポジションにつけることができなかった。つまり、まさに期待された通りの効果が得られていた。全員がそこかしこで無茶苦茶に混乱している姿など見たいものではない。何人かがポジション獲得に失敗しており、それほど悪いものだったとは思っていない」
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