2011年のF1レギュレーションの中でも、最も大きな変化と言えるのがDRS(Drag Reduction System:ドラッグ抑制システム)の導入だろう。DRSは、リアウイングのフラップをドライバーが手動で可動させることでドラッグを低減させ、オーバーテイクを促進させることを目的に導入された可変リアウイング。フラップの可変は5cmまで許されている。
DRSが導入された代わりに、2010年に採用されたフロントウイングの可変フラップは廃止され、DRSと同様の効果を狙ったFダクトも禁止となった。DRSがあるマシンとないマシンの差はストレートエンドでおよそ時速10〜12kmとされている。DRSは、プラクティスと予選ではどの場所でも使用することができるが(ただし、アクセル開度が90%以上、ブレーキ踏力が20%以下の場合)、レースでは基本的に先行マシンの1秒以内を走行しているマシンが、ストレートエンドの600mの区間でのみの使用に限られている。またウェットコンディションでは使用が禁止されている。だが、可変リアウイングの使用区間はサーキットごとに調整されており、開幕戦F1オーストラリアGPではターン14の14m手前にマシンの接近を計測するポイントが設置され、実質867mにわたりDRSの使用が可能だった。テレビ放送では、視聴者にわかりやすいように計測ポイントで先行マシンの1秒以内にいるマシンにはDRSがアクティベートされたことが示され、DRSを使用した際には“DRS”のマークが点灯するようになっている。FIAは、DRSのレギュレーションについて調整を行っており、一部サーキットではDRSの使用を1回以上にする可能性も検討されている。レッドブル RB7:KERS&可変リアウイング解説


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