フェラーリは2026年F1第9戦イギリスGPでシャルル・ルクレールが優勝し、ルイス・ハミルトンも3位表彰台を獲得した。しかし、終盤のセーフティカー(SC)中にハミルトンをピットへ呼び込んだ戦略については議論を呼んでいる。フェラーリのフレデリック・バスール代表は、レース後にその判断の理由を説明。結果的にジョージ・ラッセルに2位を奪われたものの、レース再開を想定すれば「唯一の選択だった」と強調した。
ハミルトンのタイヤ交換は「唯一の選択」レース終盤、マックス・フェルスタッペンのスピンによってセーフティカーが導入されると、フェラーリは首位ルクレールにソフトタイヤへの交換を実施。一方、2番手を走るハミルトンについてもピットインを決断した。しかし、メルセデスはラッセルをコース上に残したため、ハミルトンはピットアウト後にラッセルの後方となり、そのままレースはSC先導のまま終了。ハミルトンは3位でチェッカーを受けた。この判断についてバスール代表は、レース再開を前提にすれば避けられない決断だったと説明した。「ルイスについては『ピットインが正しい判断だったのか』という議論はできる」「しかし、もしピットインしなければ、ラッセルがピットへ入り、新品ソフトタイヤを履いてくる。そして我々は摩耗したハードタイヤで前にいることになり、大きなリスクを負うことになる」「セーフティカーがこれほど長く続くとは少し予想外だったし、我々はレース再開を想定していた。この判断についてはいくらでも議論できるだろう。しかし、今もう一度やり直しても私は同じ判断をする」フェラーリは着実に前進バスール代表は、オーストリアGPでタイヤマネジメントに苦しんだものの、シルバーストンではフェラーリが大きく前進したと評価した。一方で、依然としてマシン性能には改善の余地があると冷静に分析している。「我々にはまだパフォーマンス不足がある。それは理解している」「シルバーストンはモナコよりもエンジン性能が重要なサーキットなので、正直それほど楽観視してはいなかった」「その一方で、だからこそ週末を通してあらゆる部分でコンマ数秒を積み重ねようと努力した。そして、小さな改善を積み重ねた結果、決勝では非常に高い競争力を発揮できた」さらに、今回の好結果はエンジン性能だけで説明できるものではないと語った。「確かにシルバーストンは2週間前のスペインよりエンジン性能の影響が大きい。しかし今回は風が強く、フロントの性能が重要になるコンディションだった。このコース自体も非常にフロント寄りの特性を持っている」「つまり、エンジンだけの話ではない。我々はこうしたあらゆる要素にうまく対応できたと思っている」スパでも慢心はしないバスール代表は、今回の勝利によってフェラーリが一気に優位へ立ったわけではないと強調。次戦スパ・フランコルシャンでもゼロから挑む姿勢を崩さなかった。「来週のスパではまた違った挑戦が待っている。おそらく天候も違うだろうし、毎週末ゼロからスタートしなければならない」「魔法のようなものは存在しない。1週間でコンマ5〜6秒も速くなることはない。あらゆる分野で小さな改善を積み重ね、その合計が違いを生み出すのだ」ルクレールの復活を確信今回優勝したシャルル・ルクレールについても、バスール代表は以前からパフォーマンス自体は高いレベルにあったと説明。結果が伴わなかっただけだと振り返った。「シュピールベルクではフロントロウに並んでいたし、常に速さは見せていた。我々はデータを見て悲観的にはなっていなかった」「彼にとって厳しかったのは、ポイントや結果が伴わなかったことだった」また、シーズン中の開発やブレーキ変更によるセットアップ調整も影響していたという。「今日の結果は、彼にとって最高の自信回復になるはずだ」「シーズン開幕からマシンを開発し続けているため、そのたびにセットアップを調整する必要がある。シャルルは数戦前にブレーキも変更しており、それに合わせて全体を見直さなければならなかった」「しかし、これは単純にパフォーマンスの問題ではない。むしろ自信の問題だった。そして今日の結果は、その自信を大きく取り戻す助けになるだろう」フェラーリはルクレールの優勝とハミルトンの3位によって、シルバーストンで改めて高い競争力を示した。ハミルトンのSC中ピット戦略には議論が残るものの、バスール代表は再スタートを見据えた最善の判断だったと説明しており、チームは小さな改善を積み重ねながら次戦ベルギーGPでも上位争いを目指す姿勢を示している。