フェラーリが2026年F1プレシーズンテストで披露した回転式リアウイングが、パドックで大きな注目を集めている。新たに導入されたストレートモードに対応するためのこの独創的なメカニズムについて、元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、かつてマクラーレンが投入した“第3ブレーキペダル”を思い起こさせるものだと語った。
フェラーリはバーレーンでの2回目のテストに、多くの好奇の視線を浴びながら登場した。注目を集めたのは、従来のDRSのようにフラップを可動させるのではなく、リアウイング全体が180度回転する構造だ。これは今季から導入されたストレートモードに関連した開発であり、その大胆な設計は多くの関係者から称賛を受けている。ポッドキャスト番組で語ったクルサードは、こうした革新を見ることに喜びを示した。「15年間F1で戦ってきた中で、本当にアドバンテージになるイノベーションを持ち込めたときの感覚を思い出す。まるで小さな秘密の力の薬のようなものだ」「マクラーレンにいた頃、“第3ブレーキ”と呼ばれるものがあった。通常のブレーキペダルに加え、ステアリングの小さなソレノイドスイッチを使って、左右どちらかのリアタイヤだけを制動できる3つ目のペダルがあったんだ。戦車が片側を制動して旋回するのと同じ原理だ」当時のマクラーレンのチーフエンジニア、スティーブ・ニコルズが設計したこのシステムは、クルサードのドライビングスタイルに合わせて開発されたものだった。彼はオーバーステアを抑えたセットアップを好み、コーナー内側のリアタイヤを制動することでアンダーステア方向にバランスを振ることが可能となった。「高速域ではアクセルとブレーキを同時に使ってマシンのバランスを取ることを学んだ。ただし制動するのは内側のリアタイヤだけだ。その結果、必要なステアリング角が少なくなり、空力負荷を失わずに済む。つまりコーナーで速くなれるということだ」この一見シンプルな設計は、1周あたり約0.5秒のゲインをもたらしたとされる。しかし1998年シーズン前半に禁止されることとなった。「最終的に禁止されるまで、半シーズン以上は使うことができた。確かダレン・ヒースというフォトグラファーがコックピット内部を撮影したのがきっかけだったと記憶している」フェラーリの回転式リアウイングが実際にグランプリで投入されるかどうかは現時点では不明だ。ただ、他チームのアクティブエアロシステムと比較して、どのような効果を発揮するのかに注目が集まっている。