フェラーリF1のスポーティングディレクターを務めるローラン・メキーズは、フェラーリの育成ドライバーたちの将来を計画することは“頭痛の種ではない”と主張する。フェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)のメンバーであるミック・シューマッハ、カラム・アイロット、ロバート・シュワルツマンは、2020年のF2選手権でタイトルを争っており、F1昇格が期待されている。
フェラーリは9月30日(水)にフィオラノでテストを実施。若手3人にフェラーリ SF71Hでの走行機会を与え、ロバート・シュワルツマンにとってはF1マシンで初走行となった。ミック・シューマッハとカラム・アイロットは、ニュルブルクリンクで開催されるF1アイフェルGPでそれぞれアルファロメオとハースからフリー走行1回目に出走することが決定しており、ロバート・シュワルツマンも最終戦F1アブダビGPのフリー走行1回目にグランプリ週末デビューが予定されている。また、F1アブダビGP後にヤス・マリーナ・サーキットで開催される若手ドライバーテストでは、3人全員に走行機会が与えられる。ミック・シューマッハは、現在F2選手権で2位のカラム・アイロットに22ポイント差をつけて首位に立っている。ロバート・シュワルツマンは51ポイント差の5位だが、残り2大会で数字的にはタイトル獲得のチャンスは残されている。一部の情報筋によると、ミック・シューマッハはランキング3位以内に入ればF1昇格が保証されているとされ、カラム・アイロットにフリー走行1回目のチャンスを与えるという事実は、フェラーリが2021年に両方のドライバーにF1シートを与えることを望んでいることが示唆されている。フェラーリは、現在アントニオ・ジョビナッツィが占めているアルファトメオの1つのシートの権利を所有している。また、以前はハースのF1シートには関与していなかったが、若手ドライバーの一人を乗せることについてチームと話し合っているとされている。フェラーリF1のスポーティングディレクターを務めるローラン・メキーズは、F1昇格が期待されるドライバーが3人いるのはポジティブなことであり、彼らの長期的な将来をマネジメントしていくことが最も重要だと強調した。「頭痛の種ではない。そのような問題を抱えるのは良いことだ」とローラン・メキーズは語る。「そして、それは我々が対処したいと思っていることだ。彼らは非常に良い仕事をしている。ミックとカルムは昨年から大幅に進歩しており、彼らはチャンピオンシップの確固たるリーダーだ」「初年のロバートもすぐに彼らとの戦いを演じている。我々は3人のパフォーマンスに非常に満足している。マーカス(アームストロング)とジュリアーノ(アレジ)に関しては確かにもう少し苦労しているがね」「しかし、今年のトップ3のメンバーに関する限っては非常に満足している。それが我々の頭痛の種になることはない。それは我々に将来にむけて多くの安定性とオプションを与える。そして、それはまさに我々がFDAに求めていることだ」「もちろん、3人がほぼ同時に適切な場所に到達することが常に可能性であるとは認識しているわけではない」「しかし、今日のF2、(水曜日の)テスト、または来年やその翌年など、可能な限り彼らの可能性を表現する機会を確実に与えるために、我々は彼らに提供できるツールを持っていると思う」「彼らが最高の状態で自分自身を表現できるプログラムをどのように構築するかが我々の目標だ」ローラン・メキーズは、F1シートを獲得するための彼らの間の競争はないと主張する。「我々のなかにシュートアウトのムードはない。我々にあるのは彼らが成長し続けることを確認する方法を見つけようというムードだ」とローラン・メキーズはコメント。「結局のところ、シャルル(ルクレール)で目にしたこと、他の多くの例外的なドライバーで目にしたことは、育成が重要だということであり、F1へのドアが開いているからといって、育成をやめることはない。それは第2章であり、開発も含まれている」「なので、我々はその育成において彼らをサポートすることを確認する必要がある、それを念頭に置いて我々はプログラムを構築している。そのことを念頭に置いて、彼らを適切な雰囲気の中に置き、自分自身を表現できるように、彼らのために今後数週間を計画している。我々の側では、決断を急ぐ必要はない」