フェラーリF1チームは、今季のプレシーズンテストの1週目にはメルセデスよりも0.5秒の優位性があると考えていたが、開幕戦で“冷や水を浴びせられる”までメルセデスと戦えると自信を持っていたと語る。バルセロナでのプレシーズンテストでフェラーリ SF90のデビューはチームとドライバーの足取りを軽くさせた。メルセデスは2週目に大幅なアップデートを投入して強さをみせたが、それでもフェラーリはパフォーマンス面で優位に立っているように思われた。
しかし、メルセデスはシーズン開幕戦オーストリアGPで圧倒的な強さをみせ、開幕8戦で5連続1-2フィニッシュを含めた8連勝を達成。フェラーリは開幕戦で表彰台を獲得すことさえできなかった。2019年のF1世界選手権を振り返り、フェラーリのF1チーム代表を務めるマッティア・ビノットは、テスト後の楽観主義と期待は大きく変わることになったと述べた。「最初の週は確かに速かった。我々は非常に強かった」とマッティア・ビノットはコメント。「正直、すべての競合他社に対して明確なパフォーマンス上の優位性があると考えていた。最初の週は多かれ少なかれ、他のチームよりも0.5秒速かった」「2週目にメルセデスはアップグレードを投入した。2週間目の全体のベストラップタイムを見れば、全員が低燃費の構成を試みており、エンジンモードをプッシュし始めていた。我々は(ルイス)ハミルトンとまったく同じラップタイムを行いました。」マッティア・ビノットは、セバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレールが、新しく再舗装されたバルセロナのトラックで、マシン後部に多くのグリップとブレーキングでの強い安定性を報告していたと語る。だが、それらの領域は逆にフェラーリの弱点となり、1周のパフォーマンスとタイヤ管理を損なった。特にセバスチャン・ベッテルの自信は制限されたが、それはすぐには明らかにならなかった」「テスト後のパフォーマンスにはまだ大きな自信があったと思う。オーストラリアに向けて勝利のために戦えるという自信があった」とマッティア・ビノットは語る。「だが、一旦そこに行くと、チーム全体が冷や水を浴びせられることになった。パフォーマンスが十分でないことがわかった」「優れたパフォーマンスが得られないのには十分な理由があり、冷却とパワーユニットの管理に関して悪い選択としていた。当時、いくつかのことが間違っていた」「しかし、全体として予想に比べて確かに遅すぎた」第2戦バーレーンGPでシャルル・ルクレールがポールポジションを獲得し、レースの大半をリードした際に、マッティア・ビノットはオーストラリアが単なる“悪夢”のレースであると期待していたが、その後のグランプリでフェラーリにどれだけの作業が必要かを認識したと語る。「そこから時間がかかりすぎた。そこが我々シーズンの最初の弱点あった」とマッティア・ビノットは述べた。しかし、マッティア・ビノットはフェラーリのトラブルへの対応を称賛した。「チームは正しいスピリットを持っていた。特にコーナリングでのギャップを完全に埋めることはできなかったが、シーズン後半に我々が抱えていた問題に積極的に対処できたと思う。これは、チームが開発を勧め、正しい方向に進むことができることを示している。そこは今シーズンのポジティブな点だった」