フェラーリは、2019年のF1世界選手権で導入される空力レギュレーション変更によってラップタイムは約1.5秒遅くなると見積もっている。F1は、2017年に幅広タイヤを装着したハイダウンフォースのF1マシンを導入し、以降コースレコードを次々と更新していったが、その反面、後続マシンに与える乱気流の影響が増大し、オーバーテイクは減少していった。
2021年の大幅なレギュレーション変更を見据え、F1は2019年のF1世界選手権に向けて空力レギュレーションを変更。後続マシンへの乱気流を減少させ、オーバーテイクを増加させることを目的に、フロントウイング、リアウイング、ブレーキダクト、バージボードといった空力パーツを簡素化させた。フェラーリの新F1チーム代表に就任したマッティア・ビノットは、今回の空力レギュレーション変更によって1周あたりのラップタイムは約1.5秒遅くなるだろうと語る。「風洞で最初にテストした際、我々は1周あたり1.5秒の影響があると予測した。それが我々が弾き出した数値だ」とマッティア・ビノットはコメント。「今年のクルマは昨年と比較して重く、空力、中でもフロントウイングは大幅に簡素化された」「1.5秒が予測値であり、それは証明されている。なので、今後の開発期間を通してその1.5秒をどのようにい取り戻していくかだ」「他がどれくらい取り戻したかはコース上でのみ知ることができる」フロントウイングの変更はクルマ全体の空力パフォーマンスに大きな影響を与える。今季のF1マシンは気流を管理するための複雑なデザインを採用することになり、下流にむける制御の選択肢が限られてくる。レーシングポイントのテクニカルディレクターを務めるアンディ・グリーンは、新しいレギュレーションによってF1マシンに“多くの最適化と再設計作業”が求められたと語っている。また、他の大部分と同じようにレギュレーション変更によってレースの見応えが改善するかどうかには疑問を呈した。「最終的にこの新しいレギュレーションがレースを改善させたかを解明するのに苦労する可能性がある。残念ながら、それがグリッドを拮抗させることに役立たないと思う」とアンディ・グリーンはコメント。「だが、我々がデートを通してわかっていることは、それらが著しいパフォーマンスの損失を生み出すことだ。我々はまだ取り戻るために戦っている」新しい空力レギュレーションの解決策として、フェラーリ、アルファロメオ・レーシング、トロロッソ・ホンダは、フラップをエンドップレートに向けて“への字”に下降させる形状を採用。フロントタイヤ自体を整流のために機能させるという選択肢をとっている。