フェラーリは、F1が重視するべきことは“見せ物”ではなく競技であると主張。F1がNASCARのようになっていくのであれば、フェラーリは迷わずF1から撤退すると警告した。フェラーリの最高経営責任者(CEO)を務めるセルジオ・マルキオンネは、オランダ・アムステルダムで行われた株主総会で、「F1がスポーツではなく見せ物となり、レースがNASCARのような方向に進むならば、フェラーリは去ることになる」とコメント。
「F1をねじ曲げるような提案がなされるのであれば、フェラーリは撤退する。我々は興行主である米リバティメディアと可能な解決策を模索していく」第2戦バーレーンGPでは、リバティメディアはF1に関する将来の青写真を発表。コスト、収益、新構造のガバナンス、競技・技術規約、パワーユニットを5つの主要ポイントに挙げた。2021年からの導入が提案された予算キャップ制では、予算に1億5000万ドル(約160億円)の上限が設けられており、フェラーリがF1撤退を示唆する原因になったのはこの点だとみられている。セルジオ・マルキオネンは「10日前にリバティメディアから改革案が出された。もっと詳細を把握してから、フェラーリの利益に沿って選択していく」と語った。また、セルジオ・マルキオンネは、フォーミュラEに“とりわけ関心”があるとし、「代替案を探っていくことになるかもしれない。脅すつもりはないが、我々は買い物をやめる気はない」と強調した。「技術的アプローチをあまり求めていない人間もいるようだが、我々やメルセデスはハイレベルの維持を追求している」バーレーンGPでリバティメディアの計画が発表された際、メルセデスは「良い出発点ではあるが、詳細を詰める必要がある」という見解を示しており、トト・ヴォルフは、同チームの予算は2億5000万ドル(約267億円)以上であり、妥協点を見いだす必要があると述べた。一方、ウィリアムズの副チーム代表クレア・ウィリアムズは、この計画が収入面においてトップチームから下位チーまでの公平性を保つものになるとして、「シャンパンの栓を抜く時がきた」と歓迎した。レッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、計画が“数か月”以内にまとまることを期待しているとし、「結論としては、この計画はトップを走る3~4チームにとって、より一層大きな影響があるということだ」と述べた。