フェラーリの会長セルジオ・マルキオンネは、2016年F1シーズンは開幕戦から勝利を狙っていくと宣言した。2014年はコンストラクターズ選手権4位で終えたフェラーリだが、チーム体制を刷新して臨んだ2015年は大きく躍進。セバスチャン・ベッテルがメルセデス以外では唯一となる3勝をあげる活躍を見せ、コンストラクターズ選手権2位でシーズンを終えた。
だが、4度のF1ワールドチャンピオンのアラン・プロストは「来年もメルセデスが強いだろう」と Bild と語る。「フェラーリも再び差を縮めてくるだろうが、私はメルセデスが彼らの前にいて、その次にレッドブルが続くと見ている」レッドブルのダニエル・リカルドも、「今年はさらに差を広げられてしまっていた」と Perth Now に語り、2016年もメルセデスに挑戦するのはかなり厳しいだろうと考えている。「あまり期待したりしないほうがいいと思う。今年はシーズン開始時に期待し過ぎていたのは確かだ。だから、次の目標は、あまり大きな期待はせずにどうなるのか様子を見ることにする」フェラーリのセバスチャン・ベッテルも同様の見方をしているようだ。セバスチャン・ベッテルは、今のメルセデスの強さは前代未聞であり、自分が4年連続でF1チャンピオンとなった時のレッドブルよりも強いと思うと Marca に語った。「正直、僕たち(レッドブル)にはあれほどの強さはなかった」「僕が勝った最初の年は、フェルナンド(アロンソ)、マーク(ウェバー)、そしてルイス(ハミルトン)との差はほんの数ポイントだった。2012年は、最初の7レースはすべて勝者が違っていた。あの時は、今とは状況が全然違っていた」「来年はルールもそれほど変わらないし、メルセデスがまた物凄く強いという状況になりそうだね」しかし、フェラーリの会長を務めるセルジオ・マルキオンネや、チーム代表のマウリツィオ・アリバベーネとしては、当然ながら弱気な公式目標を掲げるわけにはいかない。マウリツィオ・アリバベーネは、フェラーリのクリスマスパーティーで「本当に正直に言うならば、メルセデスとの差を縮めたいと思っているわけではない。彼らの前に出たい」とコメント。「最大の謙虚さを持って言うが、単にメルセデスとの差を縮めるということが我々の目標にはなりえない」セルジオ・マルキオンネも「フェラーリの貸借対照表は申し分ない」と La Gazzetta dello Sport にコメント。「今我々に必要なのはサーキットでの成績だ。オーストラリアで行われるシーズン開幕戦で優勝することが重要だ」「チームは不満も口にせず、粛々と仕事をこなしてきていることはわかっている。だが、我々今目指すのは勝利だ」