バルセロナで行われている非公開シェイクダウンで、2026年F1マシンが初めて本格的に走行した。空力レギュレーションの大幅な変更と電動比率50%という新時代の到来を受け、ドライバーたちは新型マシンについて「とても違う」と口を揃えながらも、その本質は変わらないと語っている。初日に走行したドライバーからは、エネルギーマネジメントや操作の複雑さへの戸惑いと同時に、ドライバビリティや可能性を評価する声も上がった。
2026年F1マシンは、従来とは異なるアプローチを求めながらも、依然として“レーシングカー”であることを強く印象づけている。バルセロナで行われている5日間のシェイクダウン初日は、2026年F1マシンをドライバーが本格的に走らせる最初の機会となった。月曜日は11チーム中7チームが走行し、新世代マシンに対するさまざまな第一印象が語られた。ウィリアムズは今週の走行を完全に見送ることを余儀なくされ、アストンマーティンも各チームに許される3日間のうち、最低でも2日間の走行確保に向けて対応に追われている状況だ。今回のテストはクローズド形式で行われており、信頼できるラップタイムは一切公表されていない。仮に存在したとしても、この段階では意味を持たなかっただろう。それでも非公式ながら、最速はレッドブルのアイザック・ハジャー、続いてメルセデスのジョージ・ラッセルとされ、2レース分以上の距離を走ったエステバン・オコンが最も多くの周回を重ねた。初日から十分な走行量が確保されたことで、チームが当初懸念していたほど外部の目を避ける必要はなかったことも浮き彫りになった。この段階で注目すべきは、走行できなかったチームの状況とともに、実際に新型マシンをドライブしたドライバーの率直な感想だ。空力レギュレーションの大転換と電動パワーへの依存度増加は、ドライビングスタイルやレース運びそのものを変えようとしている。そうした中で、最も好意的な評価を集めたのは、アンドレア・キミ・アントネッリがドライブしたメルセデスの新型マシンだった。「オーバーテイクやオーバーライドなど、すべてのモードを試すにはまだ少し時間がかかる。そこは違いだ」とアントネッリは語った。「でも、このクルマはいい。とても運転しやすい。パワーユニットの面では去年とは明らかに違っていて、少しマネジメントが必要になるけど、十分に対応できる範囲だ」アントネッリはまた、新しいメルセデス製パワーユニットについても、「大きな疑問符だったが、今のところは良さそうだ」とドライバビリティを評価している。午後にマシンを引き継いだジョージ・ラッセルも、新型マシンに好感触を示した。「ドライバーにとってはかなり違うけど、理解してしまえば運転はとても直感的だ。ステアリングを握っていて楽しいし、新しいレギュレーションでファンが楽しめる要素はたくさんあると思う」一方、ハースで初期トラブルへの対応に追われたエステバン・オコンは、フェラーリ製パワーユニットを搭載するマシンについて、コクピット内の作業量が「とても複雑」だと表現した。「とても違うし、とても複雑だ。シーズン開始前にシミュレーターで多くの日数をこなせたのは幸運だった。だから準備はかなり整っている」「すべては理解できているけど、正直かなり複雑だ。でも、これは全員にとって同じ状況だと思っている」アウディF1の初マシンで走行したガブリエル・ボルトレトも、「とても違うが、別世界ではない」と語った。昨年F1ルーキーだったボルトレトは、これまでの世代のF1マシン経験が比較的少なく、毎年異なるマシンに乗り換える環境でキャリアを積んできた。「すごく違う。少し感覚も違う。過去に似たクルマをほとんど運転していないから、うまく表現するのが難しい」「フォーミュラ2のクルマは旧レギュレーションのF1よりずっと遅かったし、この2026年のクルマも、結果的には少し遅くなると思う」「でも、パワーユニットが50%電動になったのは本当にクールだ。コーナー立ち上がりで一気にエネルギーが展開されるスピードを感じられるし、その強さがよく分かる。そこは違いだし、ドライビングスタイルを適応させていく必要がある」「それでも、やっぱりレーシングカーだ。別世界ではない。ただ、とても大きなレギュレーション変更というだけだ」アルピーヌのフランコ・コラピントも、予防措置として60周に制限されながら走行し、同様の見解を示した。「とても違うけど、最終的にはやはりレーシングカーだ。限られたグリップの中で速く走らせる必要がある点は変わらない」「技術は少し変わるし、エネルギーマネジメントも重要になる。タイヤはずっと細く、小さくなっている。だから僕たちもドライビングを適応させないといけない」レーシングブルズのリアム・ローソンは、レッドブルとフォードが共同開発した初の自社製パワーユニットに適応する過程について、「まだ完全には理解できていない」と率直に語った。「これから数日、そしてバーレーンに行ってからの数週間で学び続けていくことになる。とにかくとても、とても違う」「ドライバーが違いを生み出せる余地が、以前より大きい気がする。それは良いことだ。でも今はまだ本当に初期段階で、どこにいるのかは分からない。とにかくクルマをどう最適化するかを学んでいるところで、今のところは楽しめている」「今の最大のテーマは信頼性だ。今日はかなりの周回をこなせたし、問題はほんの少しだけだった。実際のトラブルというよりは、安全面の予防措置だった。パワーユニットに関しては、今のところ本当に良い。ただ、他と比べてどうかはまだ分からない」バルセロナでのF1シェイクダウンは火曜日も続行されるが、この日は今週で最も雨の可能性が高いとされている。コンディション次第では、マクラーレンとフェラーリも新型マシンを投入し、2026年F1シーズンに向けた準備が本格化していく見通しだ。