F1ハンガリーテスト初日に3チームが2019年の空力レギュレーションに合わせた実験的なフロントウイングを持ち込んだ。2019年のF1世界選手権では、オーバーテイクを促進させるためにフロントウイング、リアウイング、バージボードを含めた空力パッケージのF1レギュレーションに変更が加えられる。
フロントウイングは幅が1800mmから2000mmに拡大し、デザインを単純化。エンドプレートもシンプルなものになり、複雑フラップは禁止される。現在は先行マシンからの気流に非常に敏感なタイヤの外側の“アウトウォッシュ”が重視されているが、2019年型フロントウイングは“アウトウォッシュ”を整流することはできなくなり、気流をアンダーボディに導く“インウォッシュ”型となる。今回のF1ハンガリーテストでは、ウィリアムズ、フォース・インディア、レッドブル・レーシングの3チームが2019年の空力レギュレーションに対応したフロントウイングを持ち込んだ。フォース・インディアとレッドブルのデザインは、メインプレーンの上にシンプルな4枚のフラップが搭載され、長くなったエンドプレートはわずかに婉曲している。ウィリアムズも他の2チームと類似したエンドプレートを備えているが、メインプレーン上の4枚のフラップは今季型と同様に上部の2枚が中央で仕切られたデザインとなっている。レッドブルはセッション序盤にアウトラップでダニエル・リカルドが走行。ウィリアムズはオリバー・ローランドが大量のフロービズを塗って複数周のアプトラップを走行した。フォース・インディアは、ニコラス・ラティフィがアウトラップで複数周走行した後、エアロレーキを到着して通常よりも7秒遅い低速で走データ取りを行った。ウィリアムズの最高技術責任者であるパディ・ロウは「金曜フリー走行では、現行レギュレーションに則っていないマシンは走らせることができない。したがって特定のエリアを試すことができる重要な機会だ」とコメント。フォース・インディアのテクニカルディレクターを務めるアンディ・グリーンは「フロントウイングは、マシンのその後ろの全ての鍵を握るものであり、そこを変えることは大きなステップだ。我々は正しい方向性で開発していることを確認したいので、それを確認するためにハンガリーにパーツを持ち込む」と語った。各チームはそれらの走行からベースラインとなるデータを収集し、ファクトリーでのシミュレーター作業で関連付けていく。