ハースF1チームに加入したエステバン・オコンが、同チームでタッグを組むレースエンジニアのラウラ・ミューラーとの初期の協力関係について語り、「舞台裏で非常に印象的な存在だ」と称賛した。ミューラーは以前、パフォーマンスエンジニアを務めていたが、今季からF1史上初めてフルタイムの女性レースエンジニアに昇格。ハースF1内で存在感を強めており、フランス人ドライバーであるオコンからも高く評価されている。
2025年にアルピーヌからハースF1チームへと移籍した28歳のオコンは、意欲と献身にあふれる新天地の環境に、すぐに順応しているという。尽きることのない情熱F1公式ポッドキャスト『Beyond The Grid』の中でオコンは、ミューラーとの仕事のダイナミクスについて詳細に語った。「ラウラと一緒に働くのは素晴らしいよ。彼女は本当に優れたエンジニアで、DTMをはじめとしたさまざまなカテゴリーでの経験があるんだ。僕もDTMを走ったことがあるから共通点もあるし、彼女のキャリアの歩みは本当に印象的だよ」とオコンは語る。なかでも、オコンが感銘を受けたのは、日本GPの週末におけるミューラーの姿勢だった。「鈴鹿の週末は厳しい内容だった。でも彼女は、デブリーフやミーティングを一日中続けて、食事もとらずに働いていたんだ。夜の7時半か8時になってようやく『今から何か食べようかな』って言ってきたから驚いたよ。彼女はずっと集中してた。まさに全力で仕事に打ち込んでいたんだ」オコンは、「彼女は“何時間働いたか”なんて気にしない。とにかく結果に向かって突き進む。彼女のような人物と働けて光栄だ」と続けた。ハースF1の“家族的な強さ”ハースF1チームでのスタートを切ったオコンは、チームの雰囲気についても語っている。「このチームは大家族のような存在だ。加入してすぐに“ホーム”のように感じたし、みんなが結果に飢えているのが分かる」とオコンは述べた。その感覚は、かつて在籍していたフォース・インディアの時代を思い出させるという。「フォース・インディアにも似た家族的な空気があったけど、ハースF1はそれ以上に効率的で組織的だ。必要なものが必要なときにすぐ届くし、過去のチームよりも反応が早い。チームの規模は大きくないかもしれないが、やっていることの質は非常に高い」「アヤオ(小松礼雄)が改善点を挙げることはあっても、“人が足りない”とは感じない。全員が僕を最大限にサポートしようとしてくれているからね」信頼に裏打ちされた協力体制ハースF1チームでのオコンとミューラーの関係は、単なるドライバーとエンジニアの域を超えている。献身、情熱、そしてプロフェッショナリズムを軸に、両者の協力体制は確かな信頼の上に築かれている。「彼女のような人がいるから、このチームは成長していけるんだと思う」と語るオコン。ハースF1チームが掲げる“再建と前進”というテーマの中で、オコンとミューラーのコンビは、今後のチームの飛躍にとって重要な柱となりそうだ。
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