F1は今週末、ヨーロッパラウンド初戦となるF1エミリア・ロマーニャGPを迎える。舞台となるイモラ・サーキットは、ハイダウンフォースが求められる伝統的なテクニカルコースであり、例年通り各チームにとってはシーズン最初の大規模アップグレードの発表の場ともなる。2025年シーズンは序盤からマクラーレンが圧倒的なパフォーマンスを示し、フェラーリ、レッドブル・レーシング、メルセデスらがその背中を追いかける構図となっている。
勢力図の変化が予感される中、8チームがイモラにアップグレードを投入。以下は、各チームの主な変更内容である。フェラーリ:リアコーナーに新構造を導入フェラーリは、SF-25のリアコーナーに新たなスクープ形状とウイングレットを採用。局所的なダウンフォース(荷重)を改善し、安定性とトラクション向上を図る。マクラーレン:リアとフロントの空力を強化マクラーレンはハイダウンフォース仕様のリアウイングとビームウイングに加え、リアコーナーとサスペンション部に複数の新コンポーネントを投入。小規模ながらフロントサスペンションの改良も実施し、全体の空力効率を引き上げた。レッドブル・レーシング:エンジンカバー周辺を再最適化レッドブル・レーシングは引き続きエンジンカバー周辺の改良に注力。インレットとその周辺形状を再設計し、空力効率を高めている。さらにリアサスペンションのフェアリングと、リアホイール周辺の吸排気ダクトにも手が加えられた。メルセデス:フロントウイングで後方空力流を改善W16にはフロントサスペンションのフェアリング形状とフロントウイングが再設計され、コード方向およびスパン方向の荷重分布を変更。これによりアップウォッシュ・フィールド(上向き気流)を調整し、マシン後方の空力を最適化した。エンジンカバーも微調整されている。アストンマーティン:アンダーフロア中心に大規模改良アストンマーティンは今季初の大型アップグレードを投入。ヘイローの形状や新型ビームウイングの導入に加え、アンダーフロア本体を「進化型」に改良。新しいフロアフェンスとエッジ、ディフューザーのショルダー部が新設計となり、連携するエンジンカバーも合わせて変更されている。アルピーヌ:フロントとリアを空力調整アルピーヌはA525に再設計されたフロントウイングとフラップを導入し、各要素間の荷重分布を見直した。また、リアへの空力流を改善するため、エンジンカバーとリアボディワークの形状を変更している。ハース:アンダーフロア形状とディフューザーを刷新ハースはVF-25に改良型アンダーフロアを搭載。「フロントフロアの収束形状」を見直すことで後方への気流をクリーンに導き、新しいフロアエッジとディフューザーでその効果を最大化。さらにリアブレーキドラムとサスペンションフェアリングも改良されている。レーシングブルズ:ホームでの勝負に向けたアンダーフロア改良VCARB 02には新型アンダーフロアが投入され、チャネル体積を調整。それに伴いフェンスのキャンバーやフロアエッジのウイングレット位置も再配置された。また、サイドポッドのアンダーカットとエンジンカバー、さらにシャシーウイングレットにも新設計が施されている。