フェラーリF1での将来が揺らぎつつあるシャルル・ルクレールについて、イタリアから「アストンマーティンが2027年加入を視野に継続的な接触を続けている」との報道が持ち上がった。ここ数か月の報道では、ルクレールがマラネロのプロジェクトに失望しつつあるとの指摘が相次いでおり、ここに来て新たな移籍先候補としてアストンマーティンの存在感が急速に高まっている。
複数の欧州メディアは、ルクレールがフェラーリの現在の方向性に不安を抱いていると伝えており、とくに2026年シーズンで十分な競争力を示せなかった場合、将来を再考する可能性が高いとされる。フェラーリ会長ジョン・エルカーンの最近の発言も、ルクレールとルイス・ハミルトンの扱いに関する議論を呼び、チーム内部の雰囲気に疑念を抱かせている。イタリアの著名記者レオ・トゥリーニによれば、ルクレールのマネージャーであるニコラ・トッドは複数の関係者と将来について協議しており、その中にはアストンマーティンも含まれているという。チームオーナーのローレンス・ストロールは、フェルナンド・アロンソのキャリア晩年を見据え、2027年に向けてトップドライバーの獲得を強く望んでいるとされる。アストンマーティンは2026〜27年が勝負 ニューウェイ×ホンダで“新時代の台風の目”へ2026年は各チームが新レギュレーションへの適応に追われ、勢力図は大きく動かないとの見方が支配的だ。しかし、本当の序列が固まるのは2027年とされ、ドライバーたちもそのタイミングで動向を注視している。アストンマーティンはホンダ製パワーユニットを得て、エイドリアン・ニューウェイが設計をリードする新世代マシンの開発が進んでおり「2027年に本格的な飛躍を狙う体制」が整いつつある。こうした背景から、ルクレールが次のキャリアの選択肢として同チームを検討する可能性は十分にある。トゥリーニは「2027年のドライバー市場の中心に立つのは間違いなくマックス・フェルスタッペンだ」と指摘し、その去就が他ドライバーの決断に“ドミノ効果”をもたらすと分析している。ジェンソン・バトンがルクレールを絶賛「常に限界を押し広げるドライバー」2009年F1世界王者ジェンソン・バトンは、ルクレールを「常にマシンの限界を押し広げる特別なドライバー」と強く評価し、ルイス・ハミルトンと並ぶ“世界最高峰の才能”だと絶賛した。バトンはフェラーリの現状について触れつつ、ブラジルGPのダブルDNF後も「フェラーリには2人の卓越したドライバーがいるため、コンストラクターズ選手権での巻き返しは十分可能だ」と語った。さらにルクレールについては次のように述べている。「ルクレールは常に限界ギリギリで走る。予選でのアタックは驚異的だ。彼がまとめるラップは本当に息を呑むほど美しい」そのうえで「2人が順調な週末を過ごせれば、フェラーリは十分にポイントを取り返せる」と続けた。2027年、ドライバー市場は“歴史的な大変動”へシャルル・ルクレールはフェラーリで長くプロジェクトの中心を担ってきたが、2026年の競争力によってはキャリアにおける重大な決断が迫られる可能性が高い。アストンマーティンはホンダとニューウェイを武器に「次のトップチーム候補」として存在感を増しており、2027年にルクレールをチームの大黒柱として迎え入れたい意向を隠していない。2027年のF1界は、フェルスタッペン、ルクレール、そしてアストンマーティンの動きが複雑に絡み合うことで、近年でも例を見ない“大型移籍市場”となる可能性が高い。