シャルル・ルクレールは、F1シンガポールGPを7番グリッドからスタートした。ルイス・ハミルトンが6番手で、いずれもトップ5入りを逃した。だが、フェラーリ勢の決勝はさらに波乱含みの展開となり、終盤にはルクレールがレースエンジニアに怒りをあらわにする場面もあった。終盤、レースエンジニアのブライアン・ボッツィは無線で何度も「ブレーキの冷却をするため、LICO(リフト・アンド・コースト)を続けてほしい」と指示した。
これは、最終的にハミルトンを襲ったブレーキトラブルを未然に防ぐためだった。ボッツィは「リアディスクのアンバランスが再び増加している。リアディスクを冷やしてくれ。残り11周。前方はローソンだ」と伝えた。数分後、さらに「LICOを続けてください(We need to keep doing the LICO, please)」と重ねたが、これに対してルクレールは苛立ちを隠さなかった。「文句を言うな。ふざけるな、俺たちはずっと200メートルのリフト・アンド・コーストをやってるんだ(Don't even complain. For f**k's sake, we are doing 200 metres of LICO all the time.)」と激しい言葉で応じた。レース序盤、ルクレールは好スタートを決め、チームメイトとキミ・アントネッリをかわしてトップ5に浮上。しかし最初のピットストップ後、アントネッリが背後に迫り数周にわたりプレッシャーをかけ続けた。最終的にアントネッリがオーバーテイクを成功させ、ルクレールは6番手に後退。一方、2ストップ戦略を取ったハミルトンは、新しいタイヤでチームメイトに迫る。フェラーリはハミルトンにアントネッリを追わせるため、ルクレールにポジション譲渡を指示。だがハミルトンは追走中にブレーキを失い、コーナーでオーバーラン。ルクレールはその隙を突いて再び前に出て、最終的に6位でフィニッシュした。「信じられないほど扱いにくいマシン」──予選後の嘆き予選ではハミルトンがQ1をトップ通過し、フェラーリ勢も上位争いが期待されたが、結果的にルクレールは7番手、チームメイトもトップ5入りを逃した。ルクレールはレース後、マシンの難しさを次のように語った。「正直、いいラップじゃなかった。でもそれは僕のせいというより、週末を通してマシンが信じられないほど扱いにくかったからだ。コーナーごとに反応が違って、何かを学ぶどころか、何が起きてるのか分からない。とても難しかった。残念だけど、仕方ないね」
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