ケータハムの新オーナーは、購入した株式を譲渡されていないとし、元オーナーのトニー・フェルナンデスに対して法的処置をとる可能性があると警告した。今週、ケータハムのF1マシンを製造するケータハム・スポーツ(Caterham Sports Limited)が破産申請を行った。来週末にはF1アメリカGPが開催されるが、現在F1マシンは管財人に所有権があり、間に合うように解放されないのではないかと報じられている。
ケータハムF1チームを運営する“1Malaysia Racing Team(1マレーシア・レーシング・チーム)”は、22日(水)に管財人とのミーティングを行い、管財人による処分はチーム運営に”破壊的な影響”を与えたと明かした。ここで、これまで謎だったチームを買収したスイスと中東の投資家が“Engavest SA”というコンソーシアムであることが明らかになった。Engavest SAは、F1イギリスGP前にチーム売却の合意が取れて移行、元HRTチーム代表のコリン・コレスをアドバイザーに据えてケータハムを運営してきた。しかし、ケータハムは、トニー・フェルナンデスと元オーナーらが合意の通りに株式を譲渡しておらず、そのために法的にチームを所有していない状態でチーム運営と資金提供を強いられたと訴えた。「ケータハム・エンタープライズとケータハムUK、シェイク・ムハンマド・ナサルディン(売主)、そして、それらの株式所有者であるトニー・フェルナンデスとダトゥク・カマルディン・ビン・メラヌンは、Engavest SA(買主)と1マレーシア・レーシング・チーム/ケータハムF1チームの売買契約を行った」「合意に至って以来、売主は彼らの株式を買主に移譲するという法的な義務を拒否している」「買主は、買収したチームの法的所有権がないままでチームに資金を投じるという不当な立場に置かれてきた。これは、売主が2014年10月3日に発表したリリースで、フェルナンデス氏と彼が所有するケータハムグループはケータハムF1チームともはや何の関係もないとしたことと完全に矛盾する」また、チームは、ケータハム・スポーツが破産申請を行ったことは新オーナーとまったく関係ないと主張。だが、今シーズンを完了させるという計画を頓挫させるかもしれないと述べた。「ケータハム・スポーツの管財人はフェルナンデス氏の債権者である“マレーシア輸出入銀行(Exim:Export-Import Bank of Malaysia Berhad)の代理として選出された。買主とEximには何の関係もない。ケータハム・スポーツは、ケータハムF1チームのサプライヤーだ。遺憾ではあるが、管財人の選定は、F1チームの活動に破壊的な影響を及ぼしている。彼らが選出されてから、管財人はさまざまなプレスリリースを発行し、ケータハムF1チームのマネジメント大きな害をもたらしてきた」「買主は誠意をもってケータハムF1チームを3カ月間運営してきたが、今はマネジメントチームの撤退を含め、あらゆる選択肢を調べなければならない。買主は弁護士に対し、オーナーとしてF1事業を進めていくであろうフェルナンデス氏を含め、全ての陣営に対する必要な申し立てを行うよう要請している」