FIA(国際自動車連盟)は、オランダGPにおけるカルロス・サインツJr.の10秒ペナルティに関してウィリアムズが提出した「再審請求(Right of Review)」について、最終的な判断を下した。審問は9月12日(金)に行われ、ウィリアムズ・レーシングが申請したものだった。サインツはザントフォールトでレーシングブルズのリアム・ローソンと接触したとして、10秒のタイムペナルティとスーパーライセンスに2点のペナルティポイントを科されていた。
しかし、ウィリアムズF1チームが新たな証拠を提示した結果、これは単なるレーシングインシデントだったと認定され、ペナルティは撤回された。その結果、サインツに科されていた2点のペナルティポイントも取り消された。ただし、10秒ペナルティはすでにレース中に消化済みであるため、レース結果を変更することはできない。ウィリアムズの声明「我々は、カルロスのザントフォールトでのペナルティを再検討していただいたスチュワードに感謝している。そして、今回それが彼の過失ではなく、レーシングインシデントだったと認められたことを嬉しく思う。当初の判断によって我々のレースが損なわれたことは残念だが、ミスはモータースポーツの一部であり、我々は今後もFIAと建設的に協力し、スチュワーディングのプロセスやレース規則の改善に取り組んでいく」FIAの見解「この件を広範に検討し、新たな映像証拠を確認するとともに、両ドライバーとチーム代表者からの聞き取りを行った結果、スチュワードは先の裁定を撤回することを決定した。スチュワードはウィリアムズの主張どおり、これはレーシングインシデントであると認める。スチュワードは、接触は30号車が一瞬コントロールを失ったことで発生したと判断する。しかし、いずれのドライバーも全責任あるいは主たる責任を負うものではないと評価する。55号車は30号車の外側を極めて接近して走行するリスクを選択しており、そこには走行スペースを主張できる権利はなかった。もし接触があの地点で起きなかったとしても、55号車はコーナー出口でコース外に膨らむか、あるいは出口で接触し、その場合は55号車のドライバーが主に、あるいは完全に責任を負う可能性が高かった。タイムペナルティはレース中に55号車によってすでに消化されているため、スチュワードにはその結果を変更する権限はない。ただし、最終結果において55号車と前を走る30号車とのギャップは17秒であったことを付記する。裁定が撤回されたことに伴い、55号車のドライバーに科された2点のペナルティポイントは取り消される」